米国郵便公社(USPS)は4月9日、連邦職員退職年金制度(FERS)への雇用主拠出金の支払いを一時停止すると発表した。USPSは2週間ごとに約2億ドルをOPM(人事管理局)に送金しているが、この停止により今会計年度中に約25億ドルの資金を確保できる見込みだ。
累積赤字1,180億ドル──郵便事業の構造的課題
背景には深刻な財務状況がある。USPSの2025会計年度の純損失は約90億ドルに達し、2007年以降の累積赤字は1,180億ドルを超えた。最も利益率の高いファーストクラス郵便の取扱量が1960年代後半以来の最低水準に落ち込んだことが主な要因だ。当局者によると、大規模な改革がなければ2027年2月頃にも資金が枯渇する可能性があるという。
退職者への影響はなし、切手値上げも予定
ルーク・グロスマン最高財務責任者(CFO)は「郵便事業の流動性不足リスクは、年金基金への一時的な支払い停止のリスクを大幅に上回る」と説明。現在の退職者への支払いに即座の影響はないとしている。さらにUSPSは7月12日からファーストクラス切手の価格を78セントから82セントに引き上げる方針も示した。
まとめ:米国の郵便インフラを支えるUSPSの財務危機は、デジタル化時代における公共サービスの持続可能性という根本的な課題を浮き彫りにしている。
出典:
CBS News – USPS suspends contributions to employee pensions
Federal News Network – USPS suspends contributions to pension plan
USPS – Fiscal Year 2025 Results
Photo: Joel Dunn / Unsplash


