カーライル、私募クレジットファンドの解約を制限──15.7%の出金請求に業界激震

経済・金融

米投資大手カーライル・グループの旗艦私募クレジットファンドが、2026年第1四半期に15.7%という通常枠の3倍超の解約請求を受け、5%の制限を発動した。ブルーオウルやアポロなど他社も同様の事態に直面しており、3兆5,000億ドル規模に膨らんだ私募クレジット市場の「流動性不安」が一気に表面化している。

解約請求は上限の3倍超──受け取れるのは3分の1

4月9日、カーライルは株主宛書簡で、運用残高70億ドル超の「カーライル・タクティカル・プライベート・クレジット・ファンド(CTAC)」が第1四半期に15.7%の自社株買い戻し請求を受けたと明らかにした。これは契約上の上限である5%の3倍超にあたり、投資家は請求額の約3分の1しか受け取れないことになる。カーライルは「他社のテンダーオファー期間が先に終了したため、流動性を求める投資家が集中した」と説明した。

業界全体に広がる解約の波

この動きは業界全体に広がっている。ブルーオウル・キャピタルの主力OCICファンド(運用残高360億ドル)では21.9%、テクノロジー特化のOTICファンド(62億ドル)では実に40.7%もの解約請求が寄せられた。アポロで11.2%、エアーズで11.6%、ブラックストーンでも8%に達し、フィナンシャル・タイムズ紙によると第1四半期の業界全体の解約請求は208億ドルに上るという。

ムーディーズがBDCセクターの見通しを引き下げ

格付け大手ムーディーズは、米国のビジネス・デベロップメント・カンパニー(BDC、事業開発会社)セクターの見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げた。一方、カーライルは「950銘柄に分散し、単一融資先は全体の1.5%を超えない」と強調し、解約制限は「強制売却を避けポートフォリオの健全性を守る」ためと説明している。

まとめ:私募クレジットは「第二のシャドーバンク」か──リテール投資家が主導した急成長の反動が、2026年春に試されている。


出典:
Bloomberg – Carlyle Caps Private Credit Redemptions After Investors Seek 16%
PitchBook – Carlyle private credit fund fulfills 5% of redemptions
US News – Carlyle’s Private Credit Flagship Fund Latest Target of Investor Exodus

Photo: Y M / Unsplash

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