米雇用統計ウィークが本日始動──ADP・ISM製造業、ウォーシュFRB下で利下げ判断に注目

経済・金融

米国で経済指標の集中発表ウィークが本日(7月1日)幕を開けた。6月のADP雇用統計とISM製造業景況指数がこの日発表され、翌2日には金融市場が最も注目する6月雇用統計(非農業部門雇用者数)が控える。独立記念日250周年の連休を前に発表が前倒しされ、ケビン・ウォーシュ新FRB議長による利下げ判断の手がかりとして市場の関心が高まっている。

連休前に前倒しされる指標発表

今週は米独立記念日(7月4日)の連休に伴い、通常は金曜に出る雇用統計が2日(木)に前倒しされる。本日1日には民間版雇用統計とされるADP全国雇用者数、製造業の景況感を示すISM製造業景況指数、5月の建設支出が発表される。いずれも景気の減速度合いを測るうえで重要な指標だ。

ウォーシュ新議長が直面する難局

背景には、5月にFRB(米連邦準備制度理事会)議長へ就任したケビン・ウォーシュ氏の難しい立場がある。物価上昇圧力がなお根強い一方で、雇用の鈍化を示す兆候も出ており、利下げに動くべきか据え置くべきかの判断が割れている。6月下旬には市場が利下げ期待を急速に後退させ、世界の株式市場が一時動揺する場面もあった。

民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員は「トランプ大統領がウォーシュ議長とFRBを袋小路に追い込んだ」と述べ、政治的圧力下での金融政策運営の難しさを指摘した。今週の一連の指標が想定より弱ければ景気後退懸念が再燃し、強ければ利下げ観測が一段と遠のくという、市場にとって難しい局面が続く。

日本への影響

米国の金融政策の行方は、日本の家計や投資家にとっても他人事ではありません。米国の利下げが遠のけば日米金利差が開いた状態が続きやすく、円安基調が長引く可能性があります。輸入物価の上昇を通じてガソリンや食料品の値段に跳ね返り、日本の家計を圧迫する展開も考えられます。一方で、トヨタ自動車やソニーグループといった輸出企業にとっては円安が追い風となり、日経平均株価を下支えする側面もあります。

日銀(日本銀行)の植田和男総裁にとっても、米国の動向は追加利上げのタイミングを計るうえで重要な判断材料となります。日本の個人投資家としては、米雇用統計の結果を受けた為替と株価の振れに備え、外貨建て資産と円建て資産のバランスを改めて点検しておくことが求められます。とりわけ新NISAで米国株や投資信託を保有する人は、短期的な値動きに一喜一憂せず長期の視点を保つことが大切だといえます。

まとめ:今週の米指標は下半期の相場の方向感を左右する重要なイベントです。発表のたびに為替と株価が動きやすいだけに、落ち着いて全体の流れを見極めたいところではないでしょうか。


出典:
CNBC – Markets
Fortune – Markets tumble as Fed resets interest rate expectations
Schwab – Stocks Open Flat to End Best Quarter in Years

Photo: Leo Lee / Unsplash

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