米9月利上げが「五分五分」に──7月インフレ再燃で会合前に緊張

経済・金融

米連邦準備制度理事会(FRB=米国の中央銀行にあたる組織)による9月の政策会合が、利上げか据え置きかの「五分五分」の攻防になっています。7月のインフレ再燃観測が、ただでさえ割れているFRB内部の対立をさらに深めています。市場では、利下げどころか利上げの可能性が真剣に意識され始めました。

利上げ確率が55%に

CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)の「フェドウォッチ」によると、8月6日時点で9月会合における0.25%利上げの確率は約55%、据え置きの確率は約45%と、ほぼ拮抗しています。年内の利下げを期待していた市場にとって、利上げが本命視される展開は大きな方向転換です。

インフレ再加速が背景に

背景にあるのは、いったん和らいだインフレの再加速です。FRBが最も重視する物価指標であるコアPCE(食品とエネルギーを除く個人消費支出物価指数)は、6月の前月比0.1%上昇から7月は0.3%程度へと伸びが強まると見込まれています。2026年の物価上昇率は、1年前の想定より約1ポイント高い水準で推移しているとされます。

7月の会合では、3人のメンバーが利上げを主張して反対票を投じ、パウエル議長の後任であるウォーシュ議長も会見で発言が揺れるなど、方針が定まりきっていません。次の節目は8月27〜29日に開かれるFRBの年次シンポジウム(ジャクソンホール会議)で、ここでの発言が9月会合の行方を占う手がかりになります。

日本への影響

米国の金利が下がるどころか上がる可能性が高まれば、日米の金利差が縮まらず、円安圧力が続きやすくなります。輸入に頼る食品やエネルギーの価格が高止まりし、家計の負担が一段と重くなる展開が見込まれます。トヨタ自動車やソニーグループなど輸出企業には円安が追い風となる一方、原材料を海外から仕入れる企業や、海外旅行を計画する個人には逆風となる構図です。

日本銀行にとっても、米国の利上げ観測は無関係ではありません。円安が進めば輸入インフレを通じて国内物価を押し上げ、日銀に追加利上げを促す要因になり得ます。住宅ローンを変動金利で組む家庭にとっては、金利上昇局面に備えて返済計画を点検しておく必要があります。日本の読者には、9月のFRB会合とジャクソンホール会議での発言を、為替と金利の両面から注視していくことが求められます。

まとめ:米国の一手が、円相場と私たちの家計に直結します。9月の会合まで、物価と金利の動きを冷静に追っていきましょう。


出典:
Yahoo Finance / The Motley Fool – The Federal Reserve Just Released Its August Inflation Forecast
The Globe and Mail – FOMC on a Collision Course for Its September Meeting
CNBC – Fed meeting recap

Photo: Masarath Alkhaili / Unsplash

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