米5月住宅着工が15%急減──コロナ以来の低水準に

経済・金融

米国の5月の住宅着工件数が前月比15.4%減と急落し、2020年5月以来の低水準に沈んだ。高止まりする住宅ローン金利と建設コストが、米住宅市場の冷え込みを一段と鮮明にしている。

コロナ以来の低水準

米商務省が6月18日に発表した5月の住宅着工件数は、季節調整済みの年率換算で117万7千戸となった。前月の139万2千戸から15.4%の大幅な落ち込みで、新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年5月以来、約6年ぶりの低さとなる。住宅着工は新築住宅の建設が始まった件数を示し、景気の先行きを占ううえで注目される指標だ。

背景には、高い借入コストがある。米連邦準備制度(FRB、米国の中央銀行)が金利を高水準に据え置く姿勢を続けるなか、住宅ローン金利は依然として家計の重荷となっている。建材価格の上昇も加わり、住宅メーカーが新規着工に慎重になっている構図だ。

労働市場は底堅さ

一方、同じ6月18日に発表された新規失業保険申請件数は、6月13日までの週で22万6千件と前週から4千件減少した。雇用市場は底堅さを保っており、住宅市場の弱さと労働市場の強さという「まだら模様」の様相を呈している。

日本への影響

米国の住宅着工の減少は、住宅建材を供給する日本企業に直接響く。合板や住宅設備を手がける企業のほか、ショベルカーなど建設機械を北米で販売するコマツや日立建機にとっては、需要の減退が業績の重しとなる可能性がある。米住宅市場の冷え込みが長引けば、これらの企業の北米売上に下押し圧力がかかる展開が見込まれる。

為替や金利の面でも見逃せない。住宅市場の弱さが米景気全体の減速サインと受け止められれば、将来の利下げ観測が再燃し、ドル安・円高方向への動きを誘う可能性がある。新NISAで米国株や米国リートに投資する個人にとっては、住宅関連指標が示す米景気の体温を、為替の動きと合わせて点検しておくことが求められます。

まとめ:米住宅市場の急減速は、米景気の先行きと日本企業の北米事業を読み解くうえで重要なシグナルであり、今後の指標から目が離せません。


出典:
Trading Economics – US Housing Starts
Trading Economics – US Jobless Claims

Photo: Erik Mclean / Unsplash

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