英国の中央銀行であるイングランド銀行(BOE)は9月17日、政策金利にあたるバンクレートを3.75%で据え置くと決定しました。前日にFRB(米連邦準備制度理事会)が3年ぶりの利上げに踏み切ったばかりで、主要中銀の対応が分かれた形です。採決は6対3と割れ、3人の委員は0.25%の利上げを主張しました。
6対3で据え置き、3人は利上げを主張
BOEの金融政策委員会(MPC)は、9月16日までの会合で据え置きを多数決で決めました。9人の委員のうち6人が据え置き、3人が4.0%への引き上げを支持し、インフレへの警戒感の強さがうかがえます。
高止まりするインフレと景気減速の板挟み
据え置きの背景には、英国経済の減速懸念と、なお高止まりするインフレという難しい板挟みがあります。8月の英消費者物価指数(CPI)は前年同月比で3.1%まで上昇し、今後さらに高まる可能性があるとされます。中東での紛争が長期化し、原油や石油製品の価格を押し上げていることが、物価の上振れ要因として名指しされました。
注目されるのは、同じインフレ圧力に直面しながらも、FRBが利上げ、BOEが据え置きと反対方向に動いた点です。エネルギー高が世界共通の重荷となるなか、各国の中央銀行がどこまで景気に配慮し、どこからインフレ退治を優先するのか、その判断の違いが鮮明になってきたのではないでしょうか。
日本への影響
イングランド銀行とFRBの判断が分かれたことは、為替市場を通じて日本にも波及します。米国が利上げ、英国が据え置きという構図は、日米金利差を一段と意識させ、円安ドル高が進みやすい地合いをつくります。すでに1ドル150円台後半で推移する円相場にとって、これはさらなる円安圧力となり、輸入物価の上昇を通じてガソリンや電気・食料品といった生活必需品の値上がりに直結しかねません。一方で、円安は自動車のトヨタや電機のソニーグループなど輸出企業には追い風となり、日経平均を下支えする要因にもなります。日本の投資家にとっては、英ポンド建て資産や英国株を持つ場合、BOEが利上げを見送ったことで当面の金利上昇による評価下落リスクが和らいだと受け止められます。ただし、中東発のエネルギー高というインフレの火種は日英米に共通しており、日銀の追加利上げ観測と合わせて、住宅ローン金利や国内物価の先行きにも目配りが求められます。世界の中銀がそろって難路を歩むいま、家計としては値上げの長期化を前提に、固定費の見直しなど身近な備えを進めておく姿勢が大切です。
まとめ:中央銀行の「据え置き」も「利上げ」も、めぐりめぐって私たちの財布に響いてきます。海の向こうの金利の動きこそ、円相場を映す鏡として注目したいですね。
出典:
Bank of England – September 2026 Monetary Policy Summary and Minutes
CNBC – Bank of England defies Fed’s rate-hike lead, leaving rates unchanged
Photo: Georg Eiermann / Unsplash


