アポロ、私募クレジットファンドの解約を制限──信用不安が拡大

経済・金融

米資産運用大手アポロ・グローバル・マネジメント(Apollo Global Management)が、旗艦プライベートクレジットファンド「アポロ・デット・ソリューションズ(ADS)」の解約を制限した。投資家が求めた償還額の45%しか支払われず、私募信用市場の流動性リスクが浮き彫りになっている。

解約請求が上限の2倍超に

ADSは運用資産約250億ドル(約3.7兆円)のビジネス・デベロップメント・カンパニー(BDC)で、第1四半期の解約請求が発行済み株式の11.2%に達した。ファンドの規約では四半期あたり5%までしか買い戻しに応じない仕組みのため、請求額約15億ドルに対し実際の支払いは約7.3億ドルにとどまった。アポロは株主向け書簡で、この上限を「非流動性資産の投げ売りを防ぐための構造的特徴」と説明している。

AI不安がデフォルト率を押し上げ

背景には、AI(人工知能)がソフトウエア企業の事業価値を毀損するとの懸念がある。米格付け会社フィッチ・レーティングス(Fitch Ratings)によると、2026年初頭の米プライベートクレジットのデフォルト率は5.8%と数年来の高水準に上昇した。多くのファンドがSaaS(クラウド型ソフト)企業向け融資を20〜30%抱えており、生成AIの普及が借り手の企業価値を侵食するリスクが意識されている。

業界全体に解約の波

同様の動きはアポロだけにとどまらない。同業のアレス・マネジメント(Ares Management)も約107億ドルの「アレス・ストラテジック・インカム・ファンド」で解約を5%に制限し、第1四半期だけで業界全体の解約請求が100億ドルを超えた模様だ。

まとめ:プライベートクレジット市場の「流動性の幻想」が崩れつつあり、個人投資家にとっても非公開資産への投資リスクを再認識する好機といえる。


出典:
Bloomberg – Apollo Caps Private Credit Fund Withdrawals
CNBC – Apollo gives investors only 45% of requested withdrawals
Bloomberg – Ares Limits Private Credit Fund Withdrawals

Photo: Precondo CA / Unsplash

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