オラクル、クラウド売上121%増──AI需要でRPO52兆円に膨張

米ソフトウェア大手オラクルが9月10日に発表した四半期決算で、クラウドインフラ事業の売上高が前年同期比121%増の74億ドルに達し、市場予想の71.9億ドルを上回りました。AI(人工知能)向けデータセンターへの巨額投資が、実際の需要となって数字に表れ始めています。

受注残「RPO」が52兆円規模に

今回とりわけ市場を驚かせたのが、将来の売上として契約済みの金額を示す「残存履行義務(RPO)」です。RPOは5,230億ドル(約77兆円)に急拡大し、AIインフラへの旺盛な需要を裏づけました。この中には、メタやエヌビディアといった大手との新たな大型契約も含まれています。

「AIの縁の下の力持ち」戦略が結実

オラクルは近年、対話型AI「ChatGPT」を手がけるオープンAIとの間で、約4.5ギガワット分の計算能力を供給する巨額のクラウド契約を結ぶなど、AIの土台となる計算資源の供給者として存在感を高めてきました。今回の決算は、そうした「AIの縁の下の力持ち」としての戦略が、着実に成果を上げつつあることを示しています。

もっとも、市場の反応は必ずしも手放しの歓迎ではありませんでした。クラウド売上が急伸する一方、データセンターの立ち上げや設備増強にかかるコストがかさみ、利益率が低下したためです。株価は時間外取引で一時3%あまり下落しました。キャッツ最高経営責任者(CEO)は、データセンターが本格稼働すれば利益率は回復に向かうとの見通しを示しています。

日本への影響

オラクルの決算は、AIインフラ投資が「期待」から「実需」の段階へと移りつつあることを示す好例であり、日本の投資家にとっても重要なシグナルとなります。まず、AI向け半導体やサーバーの需要拡大は、日本の関連企業に追い風となります。半導体製造装置の東京エレクトロンやアドバンテスト、電子部品の村田製作所など、AIサプライチェーンに組み込まれた日本勢の業績を後押しする可能性があります。一方で、オラクルの利益率低下が示すように、AIデータセンターは莫大な設備投資と電力を必要とするビジネスです。データセンターの新設が相次げば、電力需給の逼迫や電気料金の上昇という形で、家計や国内産業にも影響が及ぶことが考えられます。投資家としては、AI相場の主役が派手な半導体メーカーだけでなく、クラウドや電力といった「インフラ」側にも広がりつつある点に注目し、恩恵を受ける日本企業を見極める視点が求められます。

まとめ:AIブームの主役は、いまや目に見えない「土台」へと移りつつあります。次に伸びる分野はどこか、供給網をたどって考えてみてはいかがでしょうか。


出典:
Bloomberg – Oracle Earnings: Cloud Sales Top Estimates on Surging AI Demand
CNBC – AI trade faces test with next week’s Oracle earnings

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