米金融大手の2026年7〜9月期決算が10月14〜15日に出そろい、明暗が分かれました。ゴールドマン・サックスが過去2番目の高収益をたたき出す一方、JPモルガン・チェースとバンク・オブ・アメリカは市場予想に届かず、好調なトレーディング部門と伸び悩む本業との差が浮き彫りになっています。
ゴールドマンがトレーディングで記録的収益
ゴールドマン・サックスの7〜9月期の純営業収益は186.8億ドル(約2兆8000億円)と、四半期として過去2番目の高水準に達し、市場予想の167.1億ドルを大きく上回りました。1株利益は17.01ドルで予想の13.02ドルを上回り、株式トレーディング収入は前年同期比72%増と急拡大しました。株式・債券市場の活況が追い風となった形です。
JPモルガンとBofAは予想割れ
一方、JPモルガン・チェースの売上高は501.7億ドルと前年同期比8%増えたものの、予想の512.2億ドルに届きませんでした。1株利益も5.57ドルと予想を下回り、売上・利益がそろって予想を割るのはおよそ3年ぶりです。バンク・オブ・アメリカ(BofA)は純利益が前年同期比17%減の69.3億ドルにとどまり、資金洗浄対策の不備で科された12億ドルの制裁金も収益を圧迫しました。
利上げ局面で広がる警戒
背景には、米連邦準備制度理事会(FRB=米国の中央銀行)が9月に3年ぶりの利上げに踏み切った金融環境があります。シティグループが10年ぶりの好決算となるなど個別の強さも見られましたが、金利上昇が続けば「どこかで何かが壊れる」との慎重な声も市場にはくすぶっています。
日本への影響
米大手銀の決算は、日本の投資家や金融機関にとって世界経済の体温計となります。トレーディング部門が稼ぎ頭となる一方で貸出など本業に陰りが見える構図は、米国事業を持つ三菱UFJフィナンシャル・グループや三井住友フィナンシャルグループなど日本のメガバンクの収益戦略にも示唆を与えます。米金融株の動きは東京市場の銀行株にも波及しやすく、日経平均株価の方向感を左右する一因となります。また、米銀決算が映し出す米国経済の底堅さや金利の先高観は、日米金利差の拡大を通じてドル高・円安を促し、輸入物価の上昇として日本の家計にも跳ね返ってきます。日本の個人投資家は、米金融大手の決算が市場心理の起点になることを意識し、トレーディング収益頼みの好決算の中身まで見極める必要があります。
まとめ:華やかな最高益の裏で、本業の地力が静かに問われています。決算の「質」まで読み解く目を持ちたいところです。
出典:
https://fortune.com/2026/10/15/what-jpmorgan-and-bofas-earnings-miss-and-goldmans-tk-blowout-quarter-say-about-the-state-of-the-economy/
https://www.cnbc.com/2026/10/13/bank-earnings-live-updates.html
Photo: Bernd 📷 Dittrich / Unsplash


