米国の6月の中古住宅販売が前月比2.4%減となり、市場予想を下回りました。一方で販売価格の中央値は過去最高を更新しており、住宅取得のしづらさが依然として続いていることが浮き彫りになっています。
予想を下回った販売件数
全米不動産協会(NAR)が発表したデータによると、6月の中古住宅販売は季節調整済みの年率換算で409万戸となり、前月から2.4%減少しました。横ばいの420万戸を見込んでいた市場予想を明確に下回る結果です。ただし前年同月比では2.8%増と、1年前よりは改善しています。
地域別では北東部のみ増加
地域別では、南部が3.6%減の189万戸、中西部が3.0%減の98万戸、西部が1.3%減の74万戸と落ち込み、唯一北東部だけが2.1%増の48万戸と伸びました。買い手が住宅ローン金利の小幅な変動に敏感に反応している様子がうかがえます。
価格は過去最高を更新
注目すべきは価格です。中古住宅の販売価格は前年比1.8%上昇し、44万600ドル(約6,900万円)と、1年以上ぶりの高い伸びで過去最高を記録しました。在庫は0.6%減の156万戸で、供給月数にして4.6カ月分にとどまっています。NARのチーフエコノミスト、ローレンス・ユン氏は「年初来50万人を超える雇用増が住宅市場を下支えする」と述べました。
日本への影響
米国の住宅市場の動向は、日本の投資家や家計にとっても他人事ではありません。米住宅販売の減速は、米連邦準備制度理事会(FRB、米国の中央銀行)が利下げに動きにくい状況を映し出しており、日米の金利差が当面縮まりにくいことを示唆します。金利差が開いたままであれば、円安基調が続きやすく、輸入物価の上昇を通じて日本の食料品やエネルギー価格を押し上げる要因になります。ガソリン代や電気代の負担が重い家計にとっては、引き続き注意が必要な局面が続きます。
また、住宅市場は米国景気全体の体温計でもあります。積水ハウスや住友林業など米国で住宅事業を展開する日本企業にとって、販売の鈍化は業績の逆風となりかねません。一方で価格が過去最高を更新している事実は、米国経済の底堅さも示しており、日本の読者としては「弱さ」と「強さ」が同居する米経済の姿を冷静に見極める姿勢が求められます。
まとめ:住宅販売の減速と価格の最高値更新という一見矛盾する動きは、米経済の複雑さを物語っています。日米の金利差と円相場への波及を、引き続き注視していきたいところです。
出典:
NAR – Existing-Home Sales Report Shows 2.4% Decrease in June
Yahoo Finance – U.S. existing home sales fall in June 2026 as prices hit record
Photo: David Everett Strickler / Unsplash


