欧州バルカン半島のアルバニアで、学生を中心とした反政府デモが激しさを増しています。10月16日には首都ティラナで数千人が行進し、警官隊との衝突は4日連続となりました。発端は、同国の海岸をトランプ米大統領の娘婿クシュナー氏が関わる高級リゾート開発に売却したことへの反発でした。
高級リゾート売却への怒り
抗議のきっかけは、アルバニアの美しい海岸線の一部を、ジャレッド・クシュナー氏(ドナルド・トランプ米大統領の娘婿)が関与する高級リゾート開発計画に売却したことでした。当初は平和的だったデモは数カ月にわたって続き、政府の汚職や大学の劣悪な環境への不満とも結びついて、エディ・ラマ首相の退陣を求める大規模な運動へと発展しました。
広がる衝突と拘束
デモは激化しており、13日には抗議参加者が教育省に石やコンクリート片を投げつけ、首相府や財務省・司法省の建物、銀行の支店などに放火しました。15日夜には暴力行為に関わったとして約160人が拘束されました。16日には教育省前で警官隊が放水車や催涙ガスを使い、参加者が投石で応戦しました。抗議の動きはエルバサンやシュコドラ、コルチャなど地方都市にも広がっています。
首相は辞任を拒否
ラマ首相は教育費の上昇については協議する用意があるとしつつ、辞任要求は拒否しました。首相は、自らを退かせることはEU加盟交渉の完遂という国民から託された使命を裏切ることになると主張しています。さらに16日には、混乱の背後に「外国の手」があると述べ、アルバニアの平穏を望まない勢力の関与をにおわせました。ラマ首相は昨年、EU加盟を公約に4期目の政権を獲得したばかりです。
日本への影響
バルカン半島の小国で起きた政治混乱は、一見すると日本と縁遠く感じられるかもしれません。しかし、アルバニアはアドリア海に面した風光明媚な国として近年観光地としての人気が高まっており、現地を訪れる日本人旅行者の安全に影響しかねません。外務省が発表する海外安全情報にも反映される可能性があるため、渡航を予定する人は最新の情勢を確認する必要があります。また、今回の混乱は、米大統領一族のビジネスが海外の国内政治を揺るがすという構図を映し出しており、トランプ政権下での米国の対外的な影響力のあり方を考えるうえでも示唆に富みます。アルバニアはEU加盟を目指す一方で、麻薬・武器取引の資金洗浄の拠点とも指摘されており、政治の安定は欧州全体の安全保障にも関わります。欧州情勢の安定は、日本の投資家や企業にとっても取引環境を見通すうえで重要な前提となります。
まとめ:遠い国のデモの背景には、観光・政治・国際情勢が複雑に絡んでいます。世界のつながりを知ることが、確かな判断の第一歩です。
出典:
https://www.aljazeera.com/news/2026/10/16/albanian-pm-blames-foreign-hands-for-unrest-as-student-protests-intensify
https://www.nbcnews.com/world/europe/albanian-anti-government-protesters-clash-police-tirana-rcna604009
Photo: Bradley Andrews / Unsplash


