米国の住宅市場で歴史的な地域間逆転が起きている。パンデミック期に高騰したサンベルト(南部・西部)の価格が急落する一方、かつて「さびついた工業地帯」と呼ばれたラストベルト(中西部)が急騰しているのだ。
全米住宅価格上昇率、統計開始以来最低の1.1%
米シンクタンクAEI(アメリカン・エンタープライズ研究所)の住宅センターが発表した最新データによると、2月時点の全米住宅価格上昇率は前年比わずか1.1%で、2013年の統計開始以来最低を記録した。都市別では最大17ポイントもの格差が生じている。
フロリダ州ケープコーラルが9.6%下落
下落が最も激しいのはフロリダ州ケープコーラルで前年比マイナス9.6%。ノースポート(フロリダ州)、メンフィス、ツーソン、パームベイも3.8~6.1%下落した。フロリダ、カリフォルニア、テキサスの全主要都市が全米平均を下回っている。フロリダ州では物件の43.6%が値下げされ、マイアミやオースティンでは在庫が8カ月分を超え「買い手市場」に転じた。
カンザスシティが8.6%上昇でトップ
一方、トップはカンザスシティの前年比プラス8.6%。ピッツバーグ(+5.8%)、クリーブランド(+5.9%)、ミルウォーキー(+5.6%)などラストベルト全体が上昇に転じた。シカゴやフィラデルフィアも4%上昇している。AEIのエド・ピント氏は「住宅購入者はより手頃な都市に移動している。『アフォーダビリティ経済』の時代だ」と分析する。
AEIは2026年末までに全米平均で1%の価格下落、2027~28年にはさらに年2%ずつ下がると予測している。
まとめ:「住みやすさ」が住宅価値を決める新時代に突入した米国──不動産の常識が根本から覆りつつある。
出典:
Fortune – The ‘affordability economy’ has created a housing market nobody predicted
AEI – National Home Price Appreciation Index: February 2026
HousingWire – The housing market is fragmenting
Photo: Knopka Ivy / Unsplash


