メモリ価格が高騰、年内340%上昇へ──AI需要で品薄深刻

テクノロジー

半導体メモリのDRAM(データを一時的に記憶する半導体)の価格が急騰しています。韓国のサムスン電子は7〜9月期に平均価格を最大20%引き上げる方針で顧客と交渉中で、実現すれば2026年の値上げ幅は年初来で約340%に達します。人工知能(AI)向けの需要が急増し、供給が追いつかない状況が続いています。

3四半期連続の大幅値上げ

DRAMの値上げは今回で3四半期連続となります。サムスンは1〜3月期に90%超、4〜6月期に50〜60%の値上げを実施しており、7〜9月期にさらに最大20%上乗せする構えです。これらを積み上げると、2026年だけで累計約340%もの上昇となります。スマートフォンやパソコンに使われるLPDDR(省電力型メモリ)は、さらに大きな値上げになる可能性があります。

品薄の最大の原因はAI

品薄の最大の原因はAIです。生成AIを動かすデータセンターでは、大量のデータを高速でやり取りするHBM(広帯域メモリ)が不可欠で、各社が生産能力をHBMに振り向けています。HBMは通常のDRAMより利益率が高く、サムスンやSKハイニックス、米マイクロン・テクノロジーは、従来型のメモリから生産をシフトしています。その結果、サーバー用DRAMやパソコン向けメモリが慢性的な品薄に陥っています。

2026年分は「実質完売」

SKハイニックスは、HBM・DRAM・NAND型フラッシュメモリの生産能力が2026年分について「実質的に完売」だと説明しています。供給不足は当面続く見通しで、値上げ観測を受けてサムスン電子とSKハイニックスの株価はそれぞれ大きく上昇しました。メモリ大手には追い風となる一方、メモリを大量に使う機器メーカーにとってはコスト増が重くのしかかります。

日本への影響

メモリ価格の高騰は、日本の消費者と企業の双方に影響します。DRAMやフラッシュメモリはパソコン、スマートフォン、ゲーム機、自動車などあらゆる電子機器に使われており、部材コストの上昇は最終製品の値上げにつながります。すでにパソコンやスマホの一部で価格改定の動きがあり、年末商戦に向けて家電の値上がりが家計の負担となる恐れがあります。

一方、日本のメモリ関連企業には商機となります。フラッシュメモリ大手のキオクシアは需給の引き締まりで採算改善が期待され、半導体製造装置の東京エレクトロンやアドバンテスト、シリコンウエハーの信越化学工業やSUMCOにも増産投資の恩恵が及びます。パソコンやスマホの買い替えを検討している家庭は、値上がりが本格化する前の購入を選択肢に入れるなど、価格動向を注視することが求められます。

まとめ:AIブームは、めぐりめぐってあなたのパソコンやスマホの値段にも響いてきます。買い替え時期を賢く見極めていきたいものです。


出典:
Network World – Samsung warns of memory shortages driving price surge
BigGo Finance – Samsung Aims for Another 20% DRAM Price Hike in Q3
Sourceability – DRAM prices surge amid AI-driven shortage

Photo: Jason Leung / Unsplash

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