デンマーク総選挙、グリーンランド問題で注目も与党は苦戦

国際ニュース

デンマークで3月24日に実施された前倒し総選挙の結果、フレデリクセン首相率いる社会民主党が議席を減らし、政権の行方が不透明になっている。トランプ大統領によるグリーンランド併合要求に毅然と対抗した首相の支持率上昇を追い風に解散に踏み切ったが、有権者の関心は国内問題に集中した。

グリーンランド危機が選挙の引き金に

選挙の背景には、2025年以降続くグリーンランド危機がある。トランプ政権はグリーンランドの取得を繰り返し要求し、軍事力の行使も排除しない姿勢を見せた。さらにデンマークがグリーンランドを引き渡さなければEU製品に25%の関税を課すと脅迫した。フレデリクセン首相はこれを断固拒否し、NATO(北大西洋条約機構)のルッテ事務総長の仲介で緊張緩和の枠組みが合意された。

有権者の関心は生活密着の課題に

しかし選挙戦では経済、飲料水の安全性、食料・燃料価格といった生活密着の争点が中心となり、グリーンランド問題は「選挙結果にほとんど影響しなかった」と分析されている。左派・右派のどちらのブロックも過半数を獲得できず、ラスムセン外相が「キングメーカー」として連立交渉の鍵を握る展開となった。

デンマークとグリーンランドの関係強化

デンマーク政府はこの1年でグリーンランドへの支出を10倍に増やしており、トランプ大統領の脅迫が逆に両地域の結束を強める結果となった。グリーンランド選出のチェムニッツ議員は「デンマークとグリーンランドはかつてないほど緊密になった」と述べている。

まとめ:地政学的危機が選挙の引き金となりながらも、有権者は暮らしに直結する課題を重視する姿勢を見せた。


出典:
NPR – Denmark holds early elections spurred by Trump’s threats to take Greenland
CNBC – Denmark’s PM Frederiksen suffers election setback
The Hill – Denmark votes in an early election over US designs on Greenland

Photo: Mariia Yesionova / Unsplash

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