トランプ政権のベッセント財務長官(スコット・ベッセント)は3月初旬、現行10%のグローバル関税を今週中に15%へ引き上げると発表しました。一方で連邦裁判所は、最高裁判所が違憲と判断した旧関税に対して米政府が企業へ約1,300億ドル(約20.8兆円)を還付するよう命じており、トランプ政権の関税政策は攻防が続いています。
背景:最高裁の違憲判決から「別の関税」へ
2026年2月20日、米最高裁判所はトランプ政権がIEEPA(国際緊急経済権限法)を根拠に課した広範な輸入関税が違憲だと6対3で判断しました。これを受けてトランプ大統領は2月24日、別の法的根拠であるセクション122(輸入急増時に大統領が一時関税を課せる通商法上の規定)を用い、10%のグローバル関税を新たに発令していました。
さらなる引き上げと新たな貿易調査
ベッセント長官は3月4日に「今週中に15%へ引き上げ」と述べています。また政府はセクション301(不公正な貿易慣行に対する調査権限)に基づく新たな通商調査も開始しており、主要貿易相手国への追加関税につながる可能性があります。複数の米州政府は新関税の差し止めを求めて提訴しており、法廷闘争は継続中です。
企業への大規模還付命令
連邦裁判所のイートン(Richard Eaton)判事は、IEEPA関税に対して1,300億ドル超の還付を政府に命令しました。対象は全輸入者(約33万社以上、5,300万件超のエントリー)で、CBP(米税関・国境保護局)は「即時対応は困難」と表明しています。政府は60日以内に控訴する可能性があります。政府側が還付開始の延期を求めた申し立ては連邦控訴裁判所に却下されており、還付手続きは前進する見通しです。
まとめ:関税政策の行方は司法・立法・行政の三つどもえの争いとなっており、影響を受ける輸出入業者や消費者は今後の動向を注視する必要があります。
出典:
CNBC – Bessent Says Global 15% Tariff Starts This Week (2026/03/04)
Al Jazeera – US States Sue to Stop Trump’s Latest Global Tariffs (2026/03/05)
PYMNTS – Trade Court Orders Government to Refund $130 Billion in Tariffs
Bradley – Court of International Trade Orders Reliquidation of IEEPA Tariff Duties
Tax Foundation – Trump Tariffs Trade War
Photo: Eric Prouzet / Unsplash



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