英国、アフリカ向け援助を半減以上に削減──「命が失われる」と批判

国際ニュース

英国政府は、国防費増額の財源確保を理由に、海外開発援助(ODA)予算を大幅に削減する方針を発表した。クーパー外相は3月19日の議会声明で「極めて困難な決断」と述べ、援助予算をGNI(国民総所得)比で現行の0.5%から2027〜28年度までに0.3%へ引き下げる計画を明らかにした。これはG7諸国で最大の削減幅となる。

アフリカへの影響が最も深刻

最も深刻な影響を受けるのはアフリカだ。2026〜27年度だけでアフリカへの二国間援助は前年比40%減少し、2028〜29年度までには削減前の水準から56%(8億7,400万ポンド、約1,750億円)の減額となる。3年間でアフリカ地域プログラム全体では19億ポンドが削られる見通しだ。

最貧国の医療・教育が危機に

シエラレオネやマラウイなど世界最貧国では、英国の医療支援がほぼゼロになる可能性がある。マラウイでは年間約25万人の若者が近代的な家族計画へのアクセスを失い、学校給食プログラムの終了により約2万人の児童が退学リスクに直面するとみられる。

「底辺への競争」の懸念

援助の優先配分先はウクライナ、レバノン、パレスチナ自治区、スーダンに絞られる。国際開発委員会のサラ・チャンピオン委員長は「容赦ない援助削減に勝者はいない。程度の異なる敗者がいるだけだ」と批判した。この動きは、トランプ政権による米国の対外援助見直しに続くものであり、主要援助国間で「底辺への競争」が進んでいるとの懸念が広がっている。

まとめ:英米両国の援助削減は、世界の最も脆弱な地域に深刻な人道的影響を及ぼす恐れがある。


出典:
KPBS – Lives will be lost: How the U.K.’s aid cuts may affect parts of Africa
Bond – ODA allocations for 2026 onwards
UK Parliament – IDC Chair responds to aid cuts

Photo: Michael Ali / Unsplash

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