ブロードコム、AI半導体が3倍増──最高益でも株価は伸び悩み

市場

米半導体大手ブロードコムが発表した2026年8〜10月期を含む第3四半期決算で、AI(人工知能)向け半導体の売上高が前年同期比3倍超に急増しました。ところが好決算にもかかわらず株価は伸び悩み、投資家の高い期待の裏返しとなりました。

売上高86%増、AIチップは3倍超

ブロードコムの第3四半期の売上高は前年同期比86%増の296億ドル、調整後の1株利益は3.32ドルとなり、いずれも市場予想を上回りました。とりわけAI向け半導体の売上高は前年同期比221%増の167億ドルに達し、3倍超に膨らみました。

次期も強気の見通し

同社は次の第4四半期についても、AI半導体の売上高が236%増の217億ドルに拡大するとの強気な見通しを示しました。生成AIのデータセンター投資を背景に、大手テック企業向けのカスタムAIチップ(特定顧客向けに設計する専用半導体)需要が業績を牽引しています。

それでも株価は上値が重い展開となりました。第4四半期の全体売上高見通しが348億ドルと、アナリスト予想の約350億ドルをわずかに下回ったことが嫌気されたためです。市場の期待値がすでに極めて高く、少しの物足りなさにも敏感に反応する「AI相場」の難しさが浮き彫りになっています。

日本への影響

ブロードコムの好決算は、日本の半導体関連株にとって重要な手がかりとなります。同社のAIチップは高度なパッケージング(複数の半導体を一つにまとめる後工程技術)や高性能メモリを必要とするため、需要の拡大はアドバンテストや東京エレクトロン、ディスコといった日本の半導体製造装置メーカーへの追い風となりやすいと考えられます。高帯域幅メモリ「HBM」を手がけるキオクシアなどにも波及効果が見込まれます。一方で、AI関連株は世界的に割高感が意識されており、ブロードコムのように「好決算でも株価が下がる」局面が続けば、日経平均株価に大きな影響を持つ半導体株の変動を通じて、日本の投資家の資産も揺さぶられる可能性があります。個人投資家としては、AI相場の勢いだけに頼らず、期待と実績の差に目を配る冷静さが求められます。

まとめ:AI相場では「良い決算」だけでは足りず、市場の期待をどれだけ超えられるかが問われているのですね。


出典:
The Motley Fool – Broadcom Earnings: AI Chip Sales Tripled
The Motley Fool – Broadcom AI Revenue Soared 221%
24/7 Wall St. – Broadcom Q3 2026 Earnings

Photo: Maxence Pira / Unsplash

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