米大使、入植者の包囲を「テロ行為」と非難──ヨルダン川西岸

在イスラエル米大使のハッカビー氏は8月13日、ユダヤ人入植者がヨルダン川西岸でパレスチナ人の住宅を数日間包囲した行為を「恐ろしいテロ行為」と強く非難しました。米政府高官がイスラエル側の行動に「テロ」という言葉を用いるのは異例で、波紋を広げています。

子どもを含む住民が電気も水もなく孤立

現場となったのは、ヨルダン川西岸のナブルス近郊にあるクスラ村です。国連によると、入植者は8月9日からパレスチナ人の住宅3軒を包囲し、住宅の前にテントを張って昼夜問わず居座りました。電線を切断し、水道管を破壊するなどして、子ども2人を含む約15人の住民を電気も水もない状態で自宅に閉じ込めたとされています。

米当局者による異例の「テロ」批判

包囲された住宅の一つは、米国籍を持つ住民の家でした。ハッカビー大使はSNS「X」に、「この恐ろしいテロ行為を行い、一家を脅し嫌がらせをしようとした者たちの行動は、実に不快だ」と投稿しました。米当局者が「テロリスト」という表現を使うのは、通常はパレスチナ側の武装勢力に対してであり、イスラエルの入植者に向けた今回の言葉は極めて異例と受け止められています。

イスラエル軍は現場に部隊を派遣して入植者のテントを撤去しましたが、拘束したのは1人にとどまりました。住民らは、入植者が今なお村の周辺に残っていると訴えています。親イスラエルの姿勢で知られるハッカビー氏の異例の批判は、エスカレートする入植者による暴力に対し、米国内でも懸念が高まっていることをうかがわせます。

日本への影響

ヨルダン川西岸の緊張は、遠い日本にも中東情勢を通じて影響します。中東は日本が輸入する原油の大半を依存する地域であり、イスラエルとパレスチナをめぐる情勢の不安定化は、原油価格の変動要因として意識されます。地域全体の緊張が高まれば、エネルギー価格の上昇を通じて、日本のガソリンや電気料金、企業のコストに波及する可能性があります。

また、日本政府は「二国家解決」を一貫して支持し、人道支援を続けてきました。入植地の拡大や入植者の暴力は、和平の実現を遠ざける要因として国際社会が問題視しており、日本の外交姿勢にも関わる問題です。日本の読者にとっては、中東の人道・安全保障上の動きが、原油相場や物価という身近な暮らしと地続きであることを理解し、報道を通じて情勢を注視していくことが求められます。

まとめ:遠い地の緊張も、一枚のニュースの向こうで私たちの暮らしとつながっています。中東の動きを、エネルギーと人道の両面から見つめていきましょう。


出典:
Al Jazeera – US diplomat calls Israeli settler siege of West Bank homes ‘act of terror’
NPR – U.S. ambassador slams Israeli settlers besieging home of Palestinian-American

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