ブラジル国立宇宙研究所(INPE)の衛星データによると、同国のアマゾンにおける森林破壊が前年比37%減少し、13年ぶりの低水準となりました。ルラ大統領の環境重視政策のもとで減少傾向が続いており、地球温暖化対策の面でも重要な節目と受け止められています。
現行観測系列で最低の水準
INPEの警報システム「DETER」が検知したところによると、2025年8月1日から2026年7月31日までのアマゾンの森林破壊面積は2874平方キロメートルでした。これは前年同期比で37%の減少にあたり、2015年に始まった現行のDETER観測系列で最も低い水準です。過去10年間の平均と比べても55.6%下回りました。
ルラ政権の環境政策が奏功
森林破壊の抑制は、2023年に大統領へ返り咲いたルラ・ダ・シルバ氏の環境政策の成果とされています。前任政権下では開発が優先され、森林破壊が急増していましたが、政権交代後は違法伐採の取り締まり強化や監視体制の拡充が進められてきました。衛星による観測が本格化して以降で最も少ない年間伐採量となる可能性もあり、国際社会から一定の評価を得ています。
アマゾンは「地球の肺」とも呼ばれ、大量の二酸化炭素を吸収する巨大な森林です。その破壊が続けば温暖化が加速し、世界の気候に深刻な影響を及ぼしかねません。今回の減少は前向きな成果ですが、干ばつや森林火災といったリスクは依然として残っており、この傾向を定着させられるかどうかが今後の焦点となります。
日本への影響
アマゾンの森林保全は、遠い南米の話にとどまりません。日本は「パリ協定」に基づき2050年までの温室効果ガス排出実質ゼロを掲げており、世界最大級の森林が持つ二酸化炭素の吸収力は、地球全体の気候目標を左右します。アマゾンの保全が進むことは、日本を含む各国の脱炭素の取り組みにとっても追い風となります。異常気象による豪雨や猛暑が国内でも相次ぐなか、地球規模の森林の動向は私たちの暮らしと無縁ではありません。
経済面では、ブラジルは大豆や牛肉、鉄鉱石などを日本へ供給する重要な貿易相手国です。森林破壊を伴わない持続可能な生産への移行は、日本の商社や食品メーカーが調達する原材料の「環境負荷」にも直結します。近年は投資の世界でもESG(環境・社会・企業統治)の観点が重視されており、日本の投資家や企業にとっても、こうした環境データは取引や投資判断の材料として重みを増しています。持続可能な消費を意識することが、遠いアマゾンの森を守る一歩にもつながります。
まとめ:地球の裏側の森の変化は、私たちの気候と食卓にもつながっています。前向きな一歩を、確かな流れにできるか見守っていきましょう。
出典:
Mongabay – Amazon deforestation alerts fall to lowest level since 2013
Spokesman – Brazil’s Amazon deforestation rate approaches historic low


