米国の主要小売企業の決算が19日に相次いで発表されました。住宅リフォーム大手ロウズは増収、ディスカウント衣料のTJXは通期見通しを引き上げましたが、株価はまちまち。金利高と雇用の陰りで「節約志向」を強める米消費者の姿が浮き彫りになりました。
ロウズは増収、既存店もプラス
ホームセンター大手のロウズは19日、7月末までの四半期決算で純利益24億ドル、1株利益4.27ドル、売上高260億ドルを計上したと発表しました。売上高は前年同期の240億ドルから増加し、既存店売上高は0.2%増と小幅ながらプラスを確保しました。プロ向け(業者向け)需要とオンライン販売の15.7%増が支えとなった一方、日曜大工(DIY)需要の鈍さが重荷となりました。
TJXは通期見通し引き上げも株価は下落
ディスカウント衣料・雑貨のTJX(TJマックスなどを展開)は、1株利益が1.22ドルと市場予想の1.19ドルを上回りました。通期の1株利益見通しも従来の5.08〜5.15ドルから5.31〜5.36ドルへと引き上げました。ただ、目先の慎重な業績見通しが嫌気され、株価は決算後に下落しました。景気の先行き不安が高まると、より安い店に客が流れる「低価格志向」がTJXには追い風となる構図です。
同じく19日に決算を発表したディスカウント大手ターゲットにも市場の関心が集まりました。同社は既存店売上高が回復基調にあり、通期の売上高見通しを約4%増へ引き上げていました。投資家は、この回復に持続力があるかどうかを見極めようとしています。
背景には、米消費者の変調があります。7月の小売売上高は前月比0.6%減と予想以上に落ち込み、2025年5月以来の大きな下げとなりました。借入金利の高止まり、消費者心理の悪化、弱い雇用統計が重なり、家計は支出の優先順位を絞り込み始めています。
日本への影響
米国の小売決算は、日本企業にとっても米国景気の体温計となります。米消費者が節約に動けば、米国で稼ぐユニクロ運営のファーストリテイリングや、任天堂、ソニーグループといった企業の売上に影を落としかねません。とりわけ、対米輸出の多い自動車や電機部品の業界にとって、米国の個人消費の減速は受注減という形で跳ね返る恐れがあります。
一方、TJXのような低価格業態が健闘している事実は、消費が完全に冷え込んでいるわけではなく「安いものを賢く買う」動きへ移っていることを示しています。日本でもワークマンやしまむらなど低価格路線の小売が伸びてきた経緯と重なり、消費者の財布のひもが固くなる局面での勝ち組・負け組を見分けるヒントになります。日本の投資家には、米小売株の決算を通じて世界の消費動向を読み解き、輸出関連銘柄への影響を冷静に見極める視点が求められます。
まとめ:消費者の一つひとつの買い物が、世界の景気を形づくっています。「何が売れ、何が売れないのか」に目を向けると、経済のいまが見えてくるのではないでしょうか。
出典:
StockTitan – Lowe’s Q2 2026 Sales and Earnings
Quartz – TJX raises full-year profit forecast
PYMNTS – Retail Earnings and Stretched Consumers
Photo: Kate Trysh / Unsplash


