米グーグルの親会社アルファベットが、自社の生成AI「Gemini(ジェミニ)」をより効率的に動かす新しい半導体を開発していることが報じられました。AI各社が自前のチップ開発を急ぐなか、報道を受けてアルファベット株は約3%上昇しました。
2028年にも導入か「Frozen v2」
米メディアの報道によると、グーグルは「Frozen v2(フローズン・ブイツー)」と呼ばれる新型チップを開発しています。このチップは、AIが処理の際に動かすデータ量を減らすことで、Geminiが利用者の質問により速く応答できるようにする狙いがあるとされます。実際の導入は早ければ2028年になる見通しです。
報道でアルファベット株は3%高
この報道を受け、アルファベットの株価は月曜日の朝方に約3%上昇しました。生成AIの運用には膨大な計算能力が必要で、その処理を担う半導体の効率化は、コスト削減と応答速度の両面で競争力を左右します。専用チップでAIを高速化できれば、逼迫する計算資源の制約を和らげる効果も期待されます。
広がる「独自チップ」開発競争
自前の半導体を開発する動きは業界全体に広がっています。オープンAIは6月、推論処理に特化した初の独自チップ「Jalapeño(ハラペーニョ)」を発表しました。エヌビディア製GPU(画像処理半導体)に依存してきたAI大手が相次いで独自設計に乗り出しており、AI半導体をめぐる主導権争いは新たな局面に入っています。
日本への影響
AI大手が独自チップの開発を加速させる流れは、日本の半導体産業にとって大きな意味を持ちます。こうした専用チップの製造を担うのは、多くの場合、世界最大の受託製造企業である台湾積体電路製造(TSMC)であり、その製造装置や素材の分野では東京エレクトロンやレーザーテック、信越化学工業といった日本企業が重要な役割を担っています。AI向けチップの多様化と増産は、これら日本企業の受注拡大につながる可能性があります。
一方で、グーグルやオープンAIが自前のチップを持つようになれば、エヌビディア一強の構図が揺らぐ可能性もあります。日本の投資家は、AI相場をエヌビディア関連としてひとくくりに捉えるのではなく、TSMCの製造網を支える日本の装置・素材メーカーや、データセンター関連企業へと視野を広げることが求められます。日本の読者としては、AIの主役が「モデル」から「それを動かす半導体」へと移りつつある変化を、投資や産業動向を読むうえで押さえておきたいところです。
まとめ:AI各社の独自チップ開発は、競争の主戦場が半導体そのものへ移りつつあることを示しています。日本の読者も、AIを支える「縁の下の技術」に注目していきたいところです。
出典:
TechCrunch – Google is working on a new AI chip to make Gemini more efficient
Bloomberg – Google Shares Gain on Report of Chip to Boost AI Efficiency
Photo: Jakub Pabis / Unsplash


