米国のサイバーセキュリティ・インフラ安全保障庁(CISA)は、中国と関係があるとされるハッカー集団「フラックス・タイフーン」が5つのソフトウエアの欠陥を悪用しているとして、連邦政府機関に10月11日までの対応を命じました。重要インフラへの長期的な侵入が強く警戒されています。
悪用された5つの欠陥
CISAは10月8日、悪用が確認された5件の脆弱性(ぜいじゃくせい、プログラムの安全上の欠陥)を「既知の悪用脆弱性カタログ」に追加しました。対象にはファイル転送ソフトのProFTPD、文書ソフトのONLYOFFICE、ウェブ基盤のApache Strutsなどが含まれ、いずれも深刻度が高いものです。連邦機関は11日までに修正を適用するか、該当ソフトの使用を停止するよう求められました。
国家ぐるみの脅威
フラックス・タイフーンは中国と関係があるとされる攻撃集団で、日本やオーストラリア、カナダ、英国、米国など7か国の当局が共同で警告を出しています。背景には中国企業「インテグリティ・テクノロジー・グループ」の関与が指摘されています。攻撃では、マイクロソフトの電子メール基盤へのパスワード推測攻撃や、VPNを使った侵入の長期化といった手口が報告されています。
狙いは重要インフラ
CISAの高官は、中国政府に連なる攻撃者が、電力や水道といった重要インフラや、工場などを制御するシステムに「将来の都合のよい時点で」機能を妨害できるよう、ひそかに足場を築いていると警告しました。単なる情報の窃取にとどまらない、安全保障上の脅威だと位置づけています。
日本への影響
今回の警告は、日本の当局も名を連ねる国際的な共同対応であり、日本企業にとっても人ごとではありません。悪用された欠陥の多くは世界中で広く使われている基盤ソフトであり、日本の企業や官公庁のシステムにも同じ弱点が潜んでいる可能性があります。とりわけ電力やガス、鉄道、水道といった重要インフラを担う事業者は、制御システムへの侵入が社会機能の停止に直結しかねないだけに、早急な点検と修正が欠かせません。一般の企業でも、社内で使っているファイル転送ソフトや文書管理ソフトが対象に含まれていないかを確認し、パスワードの使い回しをやめて多要素認証を導入するといった基本的な備えを徹底することが、被害を防ぐ近道となります。国家が背後にいるとされる攻撃は執拗で高度であり、「自社は狙われない」という思い込みを捨てて対策を講じることが求められます。
まとめ:サイバー空間の攻防は、もはや国家間の安全保障そのものです。足元の備えを今すぐ見直しましょう。
出典:
The Hacker News – Flax Typhoon Exploits Five Flaws as CISA Sets October 11 Deadline
Photo: Mason C / Unsplash


