マイクロン、四半期売上415億ドルで過去最高──AIメモリで前年4倍

テクノロジー

米半導体大手マイクロン・テクノロジーが発表した2026会計年度第3四半期決算は、売上高が415億ドルと前年同期の約4倍に急増し、過去最高を更新した。AI(人工知能)向けの広帯域メモリ「HBM」需要が爆発的に拡大し、メモリ業界の常識を塗り替えつつある。

粗利益率は81%へ拡大見通し

マイクロンはDRAMやNANDフラッシュといったメモリ半導体を手がける世界大手の一角である。今回の決算では、AIデータセンター向けメモリの旺盛な需要と価格上昇が業績を押し上げた。粗利益率は前四半期の75%から、第3四半期は81%へとさらに拡大する見通しで、かつて30〜45%が常識とされたメモリ事業の収益構造が大きく様変わりしたことを示している。

HBM4をエヌビディア次世代基盤に供給

とりわけ注目されるのが、AI向けに不可欠なHBM(広帯域メモリ)の伸びである。HBMの四半期売上は同社史上初めて10億ドルを突破し、2026暦年のHBM生産能力はすでに価格・数量ともに契約で埋まっているという。最新世代の「HBM4」はエヌビディアの次世代基盤「Vera Rubin」向けに出荷が始まり、歩留まりの立ち上がりも順調とされる。

さらにマイクロンは、16件の「テイク・オア・ペイ」型長期契約を通じて、最低でも約1,000億ドルの契約済み売上と220億ドルの前受金を確保したと明らかにした。需要と供給が交互に振れる「シリコンサイクル」と呼ばれる業界特有の景気変動を、長期契約によって平準化しようとする構造的な転換である。

日本への影響

マイクロンの好調は、日本のメモリ・半導体サプライチェーンに直接の追い風となる。同社は広島県に大規模な生産拠点を構えており、HBM増産は地元の雇用や設備投資、関連部材メーカーへの波及効果が見込まれる。製造装置の東京エレクトロンやアドバンテスト、シリコンウエハーの信越化学工業やSUMCO、半導体材料各社にとっても受注拡大の機会となる。

その一方で、HBMをはじめとするメモリ価格の高騰は、スマートフォンやパソコン、ゲーム機の製造コストを押し上げ、日本の消費者が支払う最終価格にも転嫁され始めている。AIの恩恵が産業界に広がる裏側で、家計には「メモリ高」という負担がのしかかる構図がある。投資家にとっては、半導体関連株の選別がこれまで以上に重要になると見込まれます。

まとめ:マイクロンの記録的決算はAIメモリ時代の到来を象徴する出来事であり、日本の半導体産業にとっての好機と家計への影響の両面を見据えておきたいところです。


出典:
TechTimes – Micron Q3 2026 Earnings
IG – Micron Q3 FY2026 Earnings

Photo: Slejven Djurakovic / Unsplash

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