北アフリカのアルジェリアが、湾岸の産油国アラブ首長国連邦(UAE)との外交関係を断絶し、UAE籍の航空機に対して領空を封鎖しました。長年くすぶってきた両国の対立が、ついに国交断絶という異例の事態に発展し、地域の緊張が一段と高まっています。
48時間以内の退去を通告
アルジェリアは9月10日、UAEによる「挑発的または敵対的」な一連の行為を理由に断交を決定したと発表しました。同国は「二国間関係を維持するあらゆる手段を尽くした」と主張し、駐アルジェリアのUAE大使を呼び出して48時間以内の退去を通告しました。
これを受け、アルジェリア国防省はUAE籍の民間機・軍用機に対する領空封鎖を発表し、9月11日午前0時に発効しました。ただし、首都アルジェの空港を発着する商用便については、2026年末まで例外的に運航が認められています。エミレーツ航空やエティハド航空といったUAEの主要航空会社は、迂回運航を迫られる影響が出ています。
対立の根は地域を二分する諸問題
対立の根には、地域を二分する複数の問題があります。アルジェリアはイスラエルとの国交正常化に反対する立場ですが、UAEは2020年の「アブラハム合意」でイスラエルと国交を結びました。さらに、アルジェリアの地域的なライバルであるモロッコとUAEが接近していることや、西サハラの帰属をめぐる長年の対立も、両国の溝を深めてきました。
日本への影響
アルジェリアとUAEの断交は、地理的に遠い日本にも複数の経路で影響を及ぼす可能性があります。まず懸念されるのがエネルギーです。両国はいずれも産油・産ガス国であり、UAEは日本にとって最大級の原油輸入相手国です。地域の緊張が広範な供給不安に波及すれば、原油価格の上昇を通じて日本の輸入コストや電気・ガス料金に跳ね返ってきます。すでに中東情勢の不安定化で原油相場は高止まりしており、新たな火種は市場心理を一段と神経質にさせます。航空面では、北アフリカ上空の領空封鎖が、欧州とアフリカ・中東を結ぶ路線の運航や燃料コストに影響し、日本の商社や物流企業のサプライチェーンにも間接的に波及しかねません。アルジェリアには日揮やJGCなど日本のプラント企業が関与してきた歴史もあり、現地事業を持つ企業は情勢を注視する必要があります。日本の投資家としては、中東・北アフリカの地政学リスクがエネルギー価格を通じて相場全体を揺らす構図を、改めて念頭に置いておくことが求められます。
まとめ:遠い国どうしの対立も、エネルギーを通じて私たちの暮らしにつながっています。中東・北アフリカの動きから、しばらく目が離せません。
出典:
Al Jazeera – Algeria cuts diplomatic ties with UAE
Euronews – Algeria closes airspace to UAE aircraft
Aviation A2Z – Emirates, Etihad Hit by Algeria Airspace Ban


