ロシアの無人機(ドローン)多数がポーランドの領空を侵犯し、北大西洋条約機構(NATO、欧米の軍事同盟)の航空機が緊急出動する事態となりました。ウクライナへの大規模攻撃の最中に起きたもので、戦火が同盟国へ波及する「新たな危険水域」に入ったとの警戒が広がっています。
四つの空港が発着を一時停止
報道によると、9月10日、ロシアはおよそ20機以上のドローンをポーランド領空に侵入させ、これを受けてワルシャワ当局は国内四つの空港で発着を一時停止しました。民間航空にも影響が及ぶ異例の事態です。
ウクライナへの大規模攻撃と同時発生
この侵犯は、ロシアがウクライナに対して仕掛けた大規模なドローン攻撃と同時に発生しました。ウクライナ側は、この夜の攻撃で数百機規模のドローンが使われたとしており、その多くはシャヘド型の攻撃用ドローンやおとり用の機体でした。ウクライナの防空部隊は大半を撃墜したものの、首都キーウの住宅やガソリンスタンド、ドニプロペトロウシク州などで被害が出て、複数の負傷者が確認されています。
NATOは加盟国の領空が繰り返し侵犯されている事態を重くみています。北大西洋理事会はポーランドやルーマニアでの領空侵犯を協議し、加盟国は「ロシアが領空侵犯の全責任を負う」とし、これらの行為は「危険で容認できず、ロシアがリスクを厭わなくなっていることを示す」と非難しました。ただし、意図的な攻撃か、誤って迷い込んだものかを巡っては、なお慎重な検証が続いています。
日本への影響
遠い欧州の出来事に見えても、ロシアのドローンによる領空侵犯は日本の安全保障と経済に無関係ではありません。まず、NATO加盟国の領空が侵されるという事態は、力による現状変更を許さないという国際秩序の根幹を揺るがすものであり、同じくロシアと国境を接し、北方領土問題を抱える日本にとって他人事ではありません。ウクライナ情勢の悪化は、原油や天然ガス、小麦といった資源・食料価格の再上昇を招きやすく、エネルギーと食料の多くを輸入に頼る日本の家計に値上げという形で跳ね返る恐れがあります。地政学的な緊張が高まる局面では、投資家の資金が円やドル、金(ゴールド)といった「安全資産」に向かいやすく、為替や株式相場が不安定になりがちです。また、安価で大量に使われるドローンが最前線の兵器となっている現実は、日本の防衛のあり方にも重い問いを投げかけています。日本の読者としては、欧州の緊張がエネルギー価格と為替を通じて生活に届くという視点を持ち、資源価格の動向に注意を払うことが求められます。
まとめ:ドローン一機の侵入が、同盟全体を揺るがす時代になりました。欧州の空の緊張が、めぐりめぐって私たちの光熱費や食卓に届くことを心に留めておきたいものです。
出典:
Yahoo News – NATO aircraft deployed in Poland as Russian jet-powered drones strike Ukraine
ABC News – Russia’s escalating strikes in Ukraine increasingly spilling into NATO
NATO – Allies condemn recent airspace violations and incidents


