韓国サムスン電子の2026年4〜6月期決算は、売上高が171兆5000億ウォン(約19兆円)と四半期ベースで過去最高を記録しました。半導体部門が牽引し、営業利益は前年同期の約18倍に膨らんだ一方、スマートフォン部門は赤字に転落しました。AI向けの広帯域メモリ「HBM」が、同社の収益構造を塗り替えています。
半導体部門が全社売上の約4分の3
決算の主役は、AIデータセンター向けのメモリ半導体です。売上高171兆5000億ウォンは前年同期比で大きく伸び、営業利益はAIメモリの記録的な需要を追い風に前年同期のおよそ18倍へと急拡大しました。半導体事業(DS部門)だけで全社売上の約4分の3を占め、会社全体を支える構図となっています。
原動力は次世代メモリ「HBM」
原動力となったのがHBM(広帯域メモリ)です。これは複数のメモリを積み重ねて大量のデータを高速でやり取りできる半導体で、生成AIの計算に欠かせません。サムスンは第6世代の「HBM4」の量産を拡大し、主要顧客に次世代「HBM4E」の初期サンプルを供給しました。会社側はHBM4の売上が第3四半期に3倍になると見込んでいます。
一方で、スマートフォンを手がけるモバイル部門は赤字に転落しました。半導体が空前の好況に沸く裏で、消費者向け機器の需要は伸び悩んでおり、AIインフラ向けと消費者向けとで明暗が鮮明に分かれています。企業の設備投資マネーがどこに向かっているかを、決算がくっきりと映し出しています。
日本への影響
サムスンのAIメモリ特需は、日本の半導体関連企業にとって追い風です。HBMの製造には高度な後工程(積層・封止)技術が欠かせず、そこで使われる製造装置や材料で日本企業は高いシェアを握っています。積層に用いる装置や検査装置を手がけるディスコやアドバンテスト、封止材料のレゾナックなどに、需要拡大の恩恵が波及すると見込まれます。
メモリ市場では、日本のキオクシアやマイクロンの広島工場も、AI需要の高まりという同じ潮流の中にあります。サムスンの好調は、メモリ価格の上昇を通じて業界全体の採算改善を後押しする一方、パソコンやスマートフォン向けメモリの値上がりが、日本のメーカーの部材コストを押し上げる面もあります。日本の読者にとっては、AI半導体をめぐる競争が、投資対象としての関連株から手元の電子機器の価格まで、幅広く暮らしに関わることを意識しておく必要があります。
まとめ:AIメモリの爆発的な需要が、半導体の勢力図を書き換えつつあります。日本企業がこの波にどう乗るのか、決算の先を見つめていきましょう。
出典:
TelecomLead – Samsung Q2 2026 Revenue Hits Record KRW 171.5 Trillion
Yahoo Finance – Samsung Q2 2026 earnings: Record profit, mobile unit swings to loss
Photo: Brecht Corbeel / Unsplash


