AI(人工知能)開発大手のアンソロピック(Anthropic)が、早ければ8月下旬にも新規株式公開(IPO=未上場企業が株式を証券取引所に上場すること)を申請し、10月の上場を目指していると報じられました。目標とする評価額は約2兆ドル(約300兆円)と、実現すれば史上最大級の上場となる可能性があります。
目標評価額は約2兆ドル
アンソロピックは、対話型AI「Claude(クロード)」を手がける米国企業で、生成AI分野でオープンAIと激しく競い合っています。報道によると、同社は直近の資金調達(シリーズH)で9650億ドルの評価額をつけており、今回のIPOではそれを大きく上回る約2兆ドルを目指しているとされます。
スペースXを上回る規模
2兆ドルという規模は、6月に約1兆7700億ドルで上場したとされる宇宙開発企業スペースXを上回る水準です。同社の年間換算売上高(ラン・レート)は7月末時点で約650億ドルに達したとされ、急拡大する事業がこの強気の評価額を支えています。仮想通貨市場で取引されるIPO前の指標では、評価額は約1兆6000億ドルと織り込まれているとの見方もあります。
もっとも、AI企業の評価額をめぐっては過熱を警戒する声も根強くあります。巨額の計算資源への投資が先行するなか、収益が期待に見合うかどうかは未知数で、上場後の株価が大きく振れるリスクもはらんでいます。それでも、AIブームの象徴的な企業が公開市場に登場する意味は大きく、投資家の関心を集めています。
日本への影響
アンソロピックの巨額上場は、日本の投資家や企業にとっても他人事ではありません。ソフトバンクグループをはじめ、日本の投資家はAI関連企業への出資を積み重ねており、こうした大型上場が続けばAI関連株全体の評価にも波及します。また、AIの需要拡大は、東京エレクトロンやアドバンテスト、ソニーグループの画像センサーなど、半導体供給網を担う日本企業にとって追い風となります。
一方で、AI株の評価が過熱し、その後に調整局面を迎えれば、日経平均に組み込まれるハイテク株を通じて日本の家計の投資信託にも影響が及びます。日本の読者としては、話題性だけで判断せず、企業の実際の収益力と評価額のバランスを見極める冷静さが求められます。
まとめ:熱狂の裏側にあるのは、技術への期待とその収益化という難題です。数字の大きさに驚くだけでなく、その中身を見る目を養っていきましょう。
出典:
Yahoo Finance – Anthropic investors target $2 trillion IPO valuation in October
Dataconomy – Anthropic Accelerates IPO Plans, Targeting $2 Trillion
Photo: Andres Siimon / Unsplash


