米宇宙開発大手スペースXの株式で、8月6日に上場後初めての「ロックアップ(売却制限)」が解除されます。最大で約9億1,150万株の内部保有株が市場に出回れる状態となり、需給の悪化が懸念されています。6月の上場以来、株価はすでに約2割下落しており、投資家は本格的な売り圧力の到来を警戒しています。
史上最大級のIPOも株価は伸び悩み
スペースXは今年6月12日、1株135ドルで新規株式公開(IPO)を実施しました。調達額は約860億ドルにのぼり、史上最大級のIPOとして注目を集めました。しかし上場後の株価は伸び悩み、直近では108ドル台まで下落しています。上場直後につけた高値からは4割以上も値を下げています。
ロックアップ解除で需給悪化の懸念
その株価に追い打ちをかけるのが、8月6日に始まるロックアップの解除です。ロックアップとは、上場後の一定期間、経営陣や既存株主が持ち株を売却できないようにする制度で、上場直後の売り殺到を防ぐ目的があります。この制限が解けると、それまで売れなかった株が市場に流れ込むため、需給が悪化し株価の重しになりやすいのです。
最大9億株超が対象、段階的に解除
スペースXの場合、8月6日に解除される第1弾では、対象となる内部保有株の最初の20%が売却可能になります。全体では最大で約9億1,150万株が対象で、これはIPOで売り出された6億3,900万株を大きく上回ります。同社は売却時期を複数の日程に分ける「段階的」な解除方式を採用しており、一度に全株が放出される事態は避けられる設計です。同社は決算も8月4日の取引終了後に発表したばかりで、業績は堅調だったものの株価は反応薄でした。経営トップのイーロン・マスク氏にとって、投資家の信認をどうつなぎ留めるかが問われています。
日本への影響
スペースX株の動向は、日本の投資家にとっても他人事ではありません。近年は米国の個別株に直接投資する日本の個人投資家が増えており、話題性の高いスペースXを保有する人も少なくありません。ロックアップ解除に伴う値動きの荒さは、こうした投資家の資産に直接影響します。上場間もない銘柄が抱える需給リスクを理解しておくことが、思わぬ損失を避けるうえで欠かせません。
日本企業との接点も広がっています。スペースXの通信サービス「スターリンク」はKDDIやNTTドコモが提携し、災害時の通信手段として国内でも普及が進んでいます。同社の株価や経営が揺らげば、こうした事業戦略に間接的な影響が及ぶ可能性もあります。IPO直後の株が上場後にどう推移するかは、東京証券取引所に新規上場する銘柄を見るうえでも参考になり、投資家にとって学びの多い事例だと言えます。
まとめ:華々しい大型上場も、ロックアップ解除という試練を迎えています。需給の変化に注意しつつ、冷静に相場を見守っていきましょう。
出典:
The Motley Fool – SpaceX’s Lockup Expires on Aug. 6
Axios – SpaceX’s stock faces test in earnings and lockup expirations
Fortune – SpaceX stock has lost half its value
Photo: Brecht Corbeel / Unsplash


