米5月小売売上高が0.9%増──戦時下でも個人消費が底堅さ示す

米商務省が発表した5月の小売売上高は前月比0.9%増となり、市場予想の0.5%増を上回った。中東情勢の緊迫やガソリン高にもかかわらず、米国の個人消費が予想以上の底堅さを保っていることが示された。

コントロールグループも予想超え

6月17日に公表された5月の小売売上高は、前月比0.9%増と4月の0.4%増から伸びを加速させた。エコノミストの事前予想は0.5%増で、これを大きく上回る結果となった。自動車ディーラー・建材店・ガソリンスタンドを除いた「コントロールグループ」も前月比0.7%増と予想を超えた。このコントロールグループは国内総生産(GDP、一国の経済活動の規模を示す指標)の算出に使われるため、景気の基調を測る重要な手がかりとなる。

注目すべきは、この強さが原油高と中東情勢の緊張という逆風の中で示された点だ。米国とイランは週末に、ホルムズ海峡の再開と紛争停止に向けた60日間の合意に達したと伝えられており、市場には安堵感が広がった。こうした地政学リスクが家計心理を冷やすとの懸念があった中で、消費者は支出を続けたことになる。

消費の勢いは下期も続くか

市場では「原油高や戦争にもかかわらず、再び景気が前向きに成長する局面を迎えるかもしれない」との見方も出ている。一方で、エネルギー価格の上昇が今後の物価を押し上げ、実質的な購買力を削るリスクも残っており、消費の勢いが下期も続くかどうかは予断を許さない。

日本への影響

米国の個人消費は世界経済を牽引するエンジンであり、その底堅さは日本にとっても無視できない。米景気が想定より粘り強ければ、トヨタ自動車やソニーグループ、ファーストリテイリングといった対米売上比率の高い日本企業の業績下支えにつながる。米国向け輸出が堅調を保てば、企業収益を通じて日経平均にも追い風となる展開が見込まれる。

為替面では、米景気の強さが利下げ観測を後退させ、日米金利差を意識したドル高・円安が進みやすくなる。輸入物価の上昇は家計の負担を増やす一方、輸出企業には恩恵となる二面性があるため、新NISAで米国株や米国関連の投資信託を持つ個人は、消費指標が示す米景気の方向性と為替の動きを合わせて点検しておくことが求められます。

まとめ:戦時下でも崩れない米国の消費は世界経済の支えであり、日本の投資家も米景気指標から目を離せない局面が続きそうです。


出典:
Charles Schwab – Market Update
CNBC – Stock Market Today

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