円安157円台で高止まり──日銀利上げ後も介入警戒くすぶる

経済・金融

円相場が1ドル=157円台で推移し、市場では政府・日銀による為替介入への警戒が続いています。日銀が9月に31年ぶりの高水準へ利上げしたにもかかわらず、植田総裁の慎重な発言が円の重しとなり、円安圧力が根強く残っています。

日銀、31年ぶりの高水準へ利上げ

日銀は9月18日の金融政策決定会合で、政策金利を0.25%引き上げて1.25%とし、1995年以来31年ぶりの高い水準に引き上げました。決定は7対2の賛成多数で、浅田統一郎・佐藤綾乃の両審議委員が利上げに反対しました。日銀は、インフレ率が目標の2%を上回って推移するリスクを理由に挙げています。

利上げ後も円安、植田総裁の発言が影

ところが利上げ後も円は買われるどころか売られる展開となりました。植田和男総裁が記者会見で今後の追加利上げについて慎重な姿勢をにじませたことが、市場の「タカ派」期待を裏切る形となったためです。円は一時1ドル=157円台後半まで下落し、約2週間ぶりの安値をつけました。

FRB(米連邦準備制度理事会)が9月に3.75〜4.00%へ利上げし、なお追加利上げの可能性を示すなか、日米の金利差は依然として大きく開いたままです。この差が円を売ってドルを買う動きを促し、円安の根本要因となっています。市場では、円がさらに下落した場合に政府・日銀が円買い介入に踏み切るのではないかとの警戒感が強まっています。

日本への影響

円安は、日本の家計と企業に相反する影響をもたらします。輸出企業にとっては海外で稼いだドルを円に換える際の採算が改善するため、トヨタ自動車やソニーグループなど輸出産業の業績には追い風となり、日経平均株価を押し上げる要因になります。一方で、原油や小麦、天然ガスといった輸入品の価格は円安で膨らみ、ガソリン代や食料品、電気・ガス料金を通じて家計の負担が重くなります。海外旅行を計画する人にとっても、両替時の目減りが痛手となります。日銀が追加利上げに動くかどうか、そして政府が実際に為替介入に踏み切るかどうかが、今後の円相場を左右する最大の焦点です。日本の読者としては、日々の輸入物価の上昇に備えつつ、住宅ローンの金利動向にも目を配ることが求められます。

まとめ:円安は輸出企業には恵みでも、私たちの財布には逆風です。金利と為替の動きを結びつけて読み解く習慣を、今こそ身につけたいですね。


出典:
CNBC – Bank of Japan raises interest rates to 31-year high
Bloomberg – Yen Drops Against Dollar After BOJ Raises Rates

Photo: Marek Piwnicki / Unsplash

タイトルとURLをコピーしました