史上最大の新規株式公開(IPO)で話題を集めたスペースXの株価が、上場後初めて売り出し価格の135ドルを割り込みました。上場直後に急騰した反動で、投資家が利益を確定する動きが強まっています。過熱した期待相場の反転を象徴する出来事です。
時価総額はピークから大きく後退
スペースXの株価は米東部時間15日、一時2.9%安の132.15ドルまで下落し、先月のIPOで投資家に売り出した1株135ドルの水準を初めて下回りました。値下がりは4日連続で、時価総額は約1兆7,500億ドルとなり、上場直後につけた2兆6,000億ドルのピークから大きく後退しました。
860億ドル調達の歴史的IPO
先月のIPOは、再使用型ロケットを手がける同社が過去最大規模の860億ドルを調達し、創業者イーロン・マスク氏を世界初の兆万長者に押し上げた歴史的な取引でした。しかし上場後の値動きは荒く、取引開始から3日間で約50%上昇したかと思えば、その後の3営業日で約4分の1を失うなど、新興IPO株特有の激しい変動に見舞われています。
利益確定売りと赤字が重しに
今回の下落の背景には、利益確定売りに加え、高すぎる評価額の見直しや、上場前後に積み上がった強気の思惑の巻き戻しがあります。同社は2025年に49億ドルの純損失を計上し、2026年1〜3月期にもさらに42億8,000万ドルの赤字を出しており、業績面での不安も株価の重しとなっています。
日本への影響
スペースXの株価変動は、日本の投資家にとって「巨大IPOの熱狂と反動」を示す教訓となります。ソフトバンクグループをはじめ、日本にも大型テック企業への投資で知られる主体があり、上場直後の急騰に飛びついた資金がどう反転するかは、他のメガIPO銘柄を見るうえでも参考になります。年内には他のAI関連企業の上場も取り沙汰されており、同じ値動きが繰り返される可能性があります。
日本の個人投資家の中には、米国株の取引が容易になったことで、話題のIPO銘柄に直接投資する人も増えています。しかしスペースXの例が示すように、上場直後の株価は実態から乖離して乱高下しやすく、高値づかみのリスクが大きいと言えます。赤字が続く成長企業の場合、評価額が期待先行で膨らんでいることも多く、業績と株価のギャップを冷静に見極める姿勢が求められます。話題性だけで判断せず、分散投資と長期の視点を保つことが、こうした局面での自衛策になります。
まとめ:華々しいIPOも、熱狂が冷めれば厳しい調整に直面します。日本の読者も、話題株ほど慎重に向き合いたいところです。
出典:
CNBC – SpaceX stock sinks below $135 IPO price for the first time
Bloomberg – SpaceX Falls Below IPO Price for First Time as Hype Fades
Quartz – SpaceX stock sinks below its IPO price for the first time
Photo: Sebastian Schuster / Unsplash


