スイス国立銀行(SNB、スイスの中央銀行)は24日、政策金利を0%に据え置くと決めました。据え置きは5会合連続で、市場の予想通りの結果です。物価上昇率の見通しは引き上げられ、金融政策の転換にはなお時間がかかるとの見方が広がっています。
ゼロ金利を5会合連続で維持
SNBは政策金利を0%に維持しました。ゼロ金利の維持は5会合連続で、事前のロイター通信の調査でも、エコノミストの大半が据え置きを見込んでいました。
2028年までの物価見通しを引き上げ
注目されたのは物価見通しの修正です。SNBは2028年までの各年について、インフレ(物価上昇率)の予想を軒並み引き上げました。新たな見通しでは、平均インフレ率は2026年が0.7%、2027年と2028年がともに0.8%とされています。低インフレが続いてきたスイスでも、物価がやや持ち直すとの判断がにじみます。
SNBはまた、為替介入に関して従来通りの表現に戻したと伝えられています。発表後、外国為替市場ではドルがスイスフランに対して上昇し、ドル・スイスフラン相場は0.827前後と、5月下旬以来の高値をつけました。世界の主要中銀が利上げや金利据え置きで対応が分かれるなか、スイスは超低金利を粘り強く維持する構えです。
日本への影響
スイスフランは、世界経済が不安定なときに買われやすい「安全資産」の代表格であり、日本円とよく比較される通貨です。SNBがゼロ金利を続ける一方、日本銀行は9月に利上げに踏み切り、両国の金融政策には差が生まれています。スイスフランと円のどちらが「安全通貨」として選ばれるかは、地政学リスクが高まる局面での円相場を左右します。また、スイスは時計や医薬品、精密機械の輸出大国であり、ロシュやネスレなど日本市場でもなじみの深い企業を抱えています。フラン高が進めばこれらのスイス製品の価格に影響し、日本の消費者や取引先にも波及します。投資家にとっては、超低金利通貨であるフランを借りて他の資産に投資する動きが、世界的な資金の流れを通じて日経平均や円相場に間接的な影響を及ぼす点にも注意が求められます。
まとめ:静かに見える中央銀行の決定も、めぐりめぐって円や私たちの暮らしにつながっています。海外の金融政策にも、少しだけ目を向けてみたいですね。
出典:
CNBC – Swiss National Bank holds rates at 0%
Reuters/Yahoo – SNB to hold rates at zero
Photo: Ernst Bürki / Unsplash


