金価格、1月の最高値から28%下落──一時5598ドルが4000ドル近辺に

市場

「安全資産」の代表格とされる金(ゴールド)の価格が、今年に入って大きく崩れています。7月下旬時点で1オンス=約4,020ドルと、1月に記録した史上最高値の5,598ドルから実に28%も下落しました。わずか半年での急落に、投資家の間では今後の底値をめぐる見方が交錯しています。

半年で3割の急落

金は、株や債券が値下がりする局面でも価値を保ちやすいとされ、インフレや地政学リスクへの備えとして世界中で買われてきました。2025年には値上がりが続き、価格は節目の5,000ドルを突破。今年1月28日には1オンス=5,598ドルという過去最高値をつけました。ところがその後は一転して下落基調に転じ、半年あまりで3割近く値を下げています。

金利上昇が重荷に

急落の背景には、複数の要因が重なっています。前年までの記録的な上昇で価格が買われ過ぎの水準に達していたこと、そして米国の長期金利が2007年以来の高さまで上昇したことです。金は保有していても利息を生まないため、金利が上がると、利息の付く米国債などに資金が流れやすくなり、金の魅力は相対的に薄れます。

反発を見込む声も

もっとも、市場では悲観一色というわけではありません。SDブリオンの上級アナリスト、ジェームズ・アンダーソン氏は、年内の後半に価格が持ち直す可能性があると見ています。ただし8月中に1月の高値へ戻るとまでは見ておらず、当面は上値の重い展開が続くとの慎重な見方が優勢です。

日本への影響

金価格の下落は、日本の個人投資家にとっても身近な話題です。近年は純金積立や金ETF(上場投資信託)を通じて金に投資する人が増えており、ドル建て価格の下落は資産評価額に直接影響します。ただし日本の店頭で取引される円建ての金価格は、為替の影響を強く受けます。ドル建てで金が下がっても、円安が同時に進めば、円建ての下落幅は小さくなる場合があります。実際、円相場が1ドル=150円台で推移する局面では、円建ての金は底堅さを見せてきました。

投資の教訓として重要なのは、「安全資産」とされる金でも短期間で3割下落しうるという事実です。三菱マテリアルや田中貴金属といった国内の地金商で積立を続けている人は、値動きに一喜一憂せず、資産全体のなかで金がどの程度の割合を占めるべきかを冷静に見直すことが求められます。分散投資の観点から、金は資産の一部として長期で持つ姿勢が現実的だといえます。

まとめ:金でさえ半年で3割下がる時代です。「安全」の言葉に頼りきらず、資産全体のバランスを点検してみましょう。


出典:
Yahoo Finance – Gold Price Prediction for August 2026
CBS News – Where will silver and gold prices head this August?
Investing News – What Was the Highest Gold Price Ever?

Photo: Scottsdale Mint / Unsplash

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