エルドアン氏、国連安保理の拒否権廃止を要求──「5カ国の特権」に一石

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トルコのエルドアン大統領は、国連総会での演説で、安全保障理事会の常任理事国5カ国が持つ拒否権の廃止を強く求めました。ガザやウクライナをめぐり安保理が機能不全に陥るなか、「5カ国だけを守る国連」からの脱却を訴え、戦後80年続いてきた仕組みに一石を投じています。

常任理事国の拒否権を「不公正」と批判

エルドアン大統領は、9月22日から26日にかけて開かれた第81回国連総会で、米国・英国・フランス・ロシア・中国の常任理事国5カ国が持つ拒否権を「不公正」だと批判しました。拒否権とは、常任理事国のうち1カ国でも反対すれば安保理の決議を否決できる強力な権限で、しばしば重要な議論を止める原因になってきました。

固定席の廃止と選挙制への移行を提案

大統領は「拒否権の仕組みを廃止しよう」と述べ、常任理事国の固定席そのものをなくし、すべての理事国を国連総会が選挙で選ぶ制度への移行を提案しました。ガザやウクライナ、ホルムズ海峡をめぐる危機で安保理が対応できていない現状が、改革論を勢いづかせています。

拒否権の見直しをめぐる動きは以前からあります。大量虐殺の際に拒否権の自主的な行使停止を求めるフランスとメキシコの提案には、英国を含む128カ国が賛同しています。一方でロシアは拒否権の廃止に反対しつつ常任理事国の拡大を支持するなど、各国の立場は分かれたままです。

日本への影響

安保理改革の議論は、日本にとって長年の悲願と深く結びついています。日本は常任理事国入りを目指してきた経緯があり、拒否権のあり方や理事国構成の見直しは、日本の国際的な発言力を左右する重要な論点です。エルドアン氏が提案した「固定席の廃止と選挙制への移行」が実現すれば、常任理事国入りという従来の目標そのものが意味を変えることになり、日本の外交戦略にも再考を迫ります。また、安保理が機能不全に陥ったままでは、東アジアの安全保障や海上輸送路の安定など、日本の国益に直結する問題で国際社会の合意形成が滞りかねません。エネルギーや原材料の多くを海外に頼る日本にとって、国際紛争を抑える枠組みが弱まることは、供給網の不安定化という形で経済にも跳ね返ります。日本の読者としては、遠い国際政治の話に見える安保理改革が、実は日本の立ち位置と暮らしの安定に関わる問題だと理解しておく必要があります。

まとめ:戦後の国際秩序を支えてきた仕組みが、大きな問い直しの時を迎えています。日本の未来にも関わる議論として、行方を見守りたいですね。


出典:
Al Jazeera – Turkiye calls for UN Security Council veto to end

Photo: Kristin Kenney / Unsplash

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