中国の習近平国家主席が9月1日夜にエジプトの首都カイロに到着し、シシ大統領と会談しました。中国の最高指導者によるエジプト訪問は約10年ぶりで、米国とイランの戦争で米国の影響力が揺らぐ中、中国が中東での存在感を高めようとする狙いがにじみます。
キルギスとエジプトを巡る歴訪の一環
今回の訪問は、キルギスとエジプトを巡る歴訪の一環として、8月30日から9月3日の日程で行われました。両国はいずれも新興国グループ「BRICS」の一員であり、会談では中東情勢や海上貿易の安全確保に加え、AI(人工知能)、輸送、製造業といった分野での経済協定に署名する見通しとされます。
最大の非石油貿易相手国に
中国とエジプトの経済的な結びつきは、近年急速に深まっています。中国はすでに石油を除く貿易でエジプト最大の相手国となっており、2025年末時点の二国間貿易額は約207億ドルに達しました。中国は巨大経済圏構想「一帯一路」の要衝としてエジプトを重視しており、インフラ投資を通じて関係を強めてきました。
習主席はこの訪問で、中東地域における新たな安全保障の枠組みを呼びかけたと伝えられています。米国主導の秩序が中東で揺らぐ中、中国が仲介役や経済パートナーとしての地位を固めようとする動きは、地域の勢力図に静かな変化をもたらしつつあります。
日本への影響
中東は日本のエネルギー安全保障の生命線です。原油輸入の大半を中東に依存する日本にとって、この地域の安定は経済の前提そのものであり、中国の影響力拡大は無視できない変化です。中国が中東での発言力を強めれば、原油の取引や海上輸送路をめぐる駆け引きに新たな不確実性が加わり、エネルギー価格の変動を通じて日本の家計や企業のコストに跳ね返る恐れがあります。
同時に、中国とエジプトのAIや製造業での連携は、日本企業にとって競争環境の変化を意味します。中東・アフリカ市場でインフラや通信を手がける中国勢が勢いを増せば、同地域で事業を展開する日本の商社やメーカーは、より厳しい競争に直面します。政府と企業がエネルギー調達先の多様化と中東外交の再構築を、腰を据えて進めることが求められます。
まとめ:中東をめぐる大国の綱引きは、遠い国の話ではなく日本のエネルギーと経済に直結します。地政学の変化から目を離さずにいたいですね。
出典:
Hong Kong Free Press – China’s Xi Jinping holds talks with Sisi in first Egypt visit in a decade
Al Jazeera – China’s Xi urges new Middle East security framework during rare Egypt visit


