代表的な暗号資産(仮想通貨)ビットコインが10月7日、一時1枚8万3000ドル(約1,245万円)を割り込みました。世界的な債券利回りの上昇と原油高が投資家心理を冷やし、短時間で約12万9000人が強制決済(ロスカット)に追い込まれ、清算額は約5億5000万ドル(約825億円)に膨らみました。急ピッチの下落が市場に動揺を広げています。
「清算の連鎖」が下落を加速
ビットコインは数日前まで堅調でしたが、債券市場の混乱をきっかけに売りが売りを呼ぶ展開となりました。価格が下がると、借り入れを使って投資していた取引が自動的に強制決済され、それがさらなる下落を招く「清算の連鎖」が起きます。暗号資産専門メディアのコインデスクによると、下落局面では約5億5000万ドル分の持ち高が清算されました。
債券・原油・ドルが重荷に
背景には米国の長期金利の上昇があります。30年物国債の利回りは一時2002年以来の高水準に達し、安全とされる国債でも高い利回りが得られる状況は、保有していても利息を生まないビットコインの魅力を相対的に低下させます。加えて原油価格の指標であるブレント原油が1バレル100ドル近辺で高止まりし、インフレ再燃への警戒も売りを促しました。
乱高下が続く可能性
ビットコインはその後、最安値圏からやや値を戻しました。ただ、株式やハイテク株との連動性が強まっており、金融市場全体が不安定ななかでは、今後も大きな値動きが続く可能性があります。
日本への影響
日本でも暗号資産への投資は個人を中心に広がっており、今回の急落は決して対岸の火事ではありません。国内の暗号資産の口座数は数百万規模に達しており、ビットコインの急落は多くの日本の個人投資家の資産を直撃します。とくに借り入れを使ったレバレッジ取引をしている場合、今回のような「清算の連鎖」に巻き込まれると、短時間で大きな損失を被る恐れがあります。また、ビットコインが株式市場と同じ方向に動く傾向を強めていることは、暗号資産を「資産分散の手段」と考えてきた投資家にとって注意が必要です。株価が下がるときに一緒に下がるのであれば、リスクを分散する効果は薄れてしまうからです。円建てで暗号資産を保有する人にとっては、ドル建て価格の下落に加えて為替の変動も重なるため、値動きはいっそう読みにくくなります。投資額は生活に影響しない範囲にとどめ、短期的な急変動に一喜一憂しない姿勢が求められます。
まとめ:値動きの大きさは、暗号資産の魅力であると同時に最大のリスクでもあります。熱くなりすぎず、自分の許容できる範囲を守って向き合っていきたいですね。
出典:
CoinDesk – Bitcoin slides under $84,000 as $550 million in bets get liquidated
Bitcoin.com – Bitcoin Price Dips Below $83K as 129,197 Traders Get Wiped Out
Photo: Jakub Żerdzicki / Unsplash


