EUが米テック依存からの脱却へ──200億ユーロ規模の「AI巨大工場」計画

テクノロジー

欧州連合(EU)が米国のテクノロジー企業への依存を減らす「デジタル主権」戦略を加速させている。200億ユーロ(約3.2兆円)規模のAIギガファクトリー構想と新法案により、欧州独自のデジタルインフラ構築を目指す。

クラウド・AI開発法とギガファクトリー構想

欧州委員会は2026年第1四半期に「クラウド・AI開発法(CADA)」を提案する予定で、EU域内のデータセンター容量を5〜7年以内に3倍に増やすことを目標としている。計画の柱となるAIギガファクトリーは、EU域内に4〜5カ所を建設し、各施設には約10万基の最先端プロセッサーを配置する。これは現行のデータセンターの約4倍の処理能力に相当する。

安全保障と主権が背景に

背景には、安全保障と主権をめぐる懸念がある。米国テック大手がEU市民のデータを処理し、重要インフラを握る現状に対し、EUは独自のクラウド基盤やAIモデルの開発を推進する方針だ。さらに、厳格なサイバーセキュリティ基準や、非EU企業のクラウド参入に関する新たな資格要件も検討されている。ただし、主要なAIモデルが依然として米国で開発されている現実を踏まえると、この取り組みが技術格差を埋められるかは未知数だ。

まとめ:EUの「デジタル離婚」は米欧テック関係の転換点となるか、今後の法案審議の行方に注目だ。


出典:
Bird & Bird – EU’s bid for tech sovereignty
European Commission – AI Factories
Sherwood News – Europe wants to break up with US tech

Photo: henri buenen / Unsplash

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