対話型AI「ChatGPT」を開発する米OpenAIが、最大1.5兆ドル(約222兆円)の評価額で新たな資金調達を検討していることが分かりました。一方で、サム・アルトマンCEOは年内の新規株式公開(IPO=株式を証券取引所に上場すること)を見送る方針を示し、AIの安全性を理由に挙げています。
投資家提示の1.2兆ドルを上回る要求
複数の報道によると、OpenAIは新たな資金調達ラウンドで1.5兆ドルの評価額を目指しています。投資家側は当初1.2兆ドルでの出資を打診したものの、OpenAIはコーディング支援ツール「Codex」や最新AIモデル「GPT-6 Astra」などの顧客増加を背景に、より高い評価額を求めていると伝えられています。
「今は上場に時期尚早」
注目されるのは、この巨額調達がIPO延期と同時に進んでいる点です。アルトマンCEOは「安全性をめぐるあらゆる状況を踏まえれば、今は上場するには時期尚早な局面だ」と述べ、株式公開を急がない姿勢を明確にしました。AIの安全性への懸念や、AI標準化団体をめぐる独占禁止法上の調査など、逆風もくすぶっています。
OpenAIは上場を来年に想定しているとされます。仮に実現すれば、史上最大級のIPOとなる可能性があります。急拡大するAI市場で、安全性と成長のバランスをどう取るのか。同社の判断は、業界全体の行方を占う試金石になるのではないでしょうか。
日本への影響
OpenAIの動向は、日本の投資家や企業にとっても他人事ではありません。同社に巨額出資してきたソフトバンクグループは、評価額の上昇によって保有資産の価値が膨らむ一方、AI投資の巨大さゆえにリスクも背負っています。IPOが来年に持ち越されれば、上場益を当て込んでいた投資家の資金回収も先送りとなります。また、OpenAIのAIモデルは日本企業の業務効率化やサービス開発に広く使われており、料金体系や提供方針の変化は国内のIT予算にも影響します。日本のスタートアップにとっては、1.5兆ドルという評価額が「AIバブル」の過熱を示すのか、それとも実力の反映なのかを見極める材料になります。生成AI関連株に投資する個人は、期待先行で株価が動きやすい局面だけに、企業の実際の収益力を冷静に見ることが求められます。
まとめ:AIをめぐるお金の動きは、私たちの想像を超える規模になっています。過熱と実力を見分ける目を養っていきたいですね。
出典:
Forbes – OpenAI Weighing Funding at $1.5 Trillion Valuation
Fortune – OpenAI IPO looks like a no-go
Fortune – Altman: IPO now would be an ‘ill-advised moment’
Photo: Google DeepMind / Unsplash


