中国の習近平国家主席が、10年ぶりとなるエジプトへの国賓訪問を行いました。米国の中東での影響力が揺らぐなか、中国はアメリカの重要な同盟国であるエジプトとの関係を深め、地域での存在感を高めようとしています。
21発の礼砲で歓迎、国交70年の節目
習主席はカイロの大統領府でエジプトのシシ大統領から21発の礼砲で迎えられ、両首脳が会談に臨みました。両国は国交樹立70年の節目を迎え、それぞれの国営紙に友好を訴える寄稿を掲載し、実務協力の拡大をうたいました。
「安定をもたらす存在」を演出
今回の訪問で習主席は、中国を中東地域の「安定をもたらす存在」として印象づけ、長年にわたり軍事的に関与してきた米国との対比を鮮明にしようとしています。「中東の人々こそが自らの問題の主人公であるべきだ」と述べ、内政不干渉を掲げる中国流の外交姿勢を強調しました。
背景には、イランをめぐる紛争などで米国の求心力が低下し、中東諸国が中国との経済・外交関係を強めている構図があります。習主席はエジプト滞在中に、新設された大エジプト博物館も訪れ、文化面でも両国の結びつきを演出しました。
日本への影響
中国が中東で影響力を広げる動きは、エネルギーの多くを中東に依存する日本にとって見過ごせません。原油の約9割を中東から輸入する日本は、地域の勢力図が変われば、原油の安定調達や価格に間接的な影響を受ける可能性があります。エジプトはスエズ運河という世界物流の要衝を抱えており、この地域で中国の存在感が増すことは、日本の海運会社や商社の中東戦略にも新たな検討課題を突きつけます。外交面でも、米中の綱引きが中東にまで広がるなか、日本は米国との同盟を基軸としつつ、資源国との独自の関係をどう維持するかという難しいかじ取りを迫られます。読者にとっては、中東情勢が原油価格や円相場を通じて家計にまで波及しうる点を、改めて意識しておくことが大切です。
まとめ:中東をめぐる米中の綱引きは、遠い国の話ではありません。エネルギー大国・中東の行方に注目したいですね。
出典:
Bloomberg – Xi Meets Egypt’s Sisi in Cairo, First State Visit in 10 Years
NPR – Xi visits Egypt as China seeks deeper influence across the Mideast
Al Jazeera – China’s Xi visits Egypt’s el-Sisi: Why it matters
Photo: waa towaw / Unsplash

