トランプ政権、半導体関税の拡大検討–ノートPCやゲーム機も対象か

トランプ米政権が、半導体そのものだけでなく、半導体を組み込んだ最終製品にも関税をかける新たな案を検討していることが分かりました。ノートパソコンやゲーム機、AIデータセンター向けサーバーなどが対象になる可能性があり、テック業界は「AI競争に水を差す」と警戒を強めています。

チップ内蔵の完成品まで関税の網

複数の報道によると、政権が検討している案は、これまでの個別の半導体チップにとどまらず、チップを内蔵した完成品にまで関税の網を広げる内容です。ノートパソコン、ゲーム機、そしてAIデータセンターを埋め尽くすサーバーなどが候補に挙がっています。

投資額に応じて関税を軽くする仕組み

制度設計の中心にあるのが、ラトニック商務長官が推す仕組みです。外国企業に対し、米国内の半導体工場への投資額に応じて一定量を無関税で輸入できる「枠」を与え、投資が多い企業ほど関税を軽くするという考え方です。当局者は一気に課すのではなく段階的に導入する案も議論しており、供給網への急激な打撃を避けつつ交渉の材料にしたい思惑がうかがえます。

テック企業からは強い反発が出ています。チップ単体への関税でも痛手ですが、組み立て済みのサーバーやネットワーク機器、ノートパソコンにまで及べば、コストが設備投資や消費者価格に幅広く波及するためです。ワシントンが国内のAI主導権確保を急ぐ最中に、かえってAIインフラの構築費を押し上げかねないとの懸念が業界に広がっています。現時点で計画は最終決定ではなく、今後数週間から数カ月で大きく変わる可能性もあります。

日本への影響

この関税案は、日本の電機・電子業界にとって決して人ごとではありません。ソニーグループのゲーム機「プレイステーション」や、サーバー関連部品を供給する日本企業にとって、米国向け輸出のコスト構造が一変する恐れがあります。米国で製品価格が上がれば需要が細り、日本からの部品供給にも影響が及びかねません。半導体製造装置で世界的な東京エレクトロンやアドバンテストにとっても、顧客であるチップメーカーの投資判断が揺らげば無縁ではいられません。

家計への波及も気になるところです。仮に米国でパソコンやゲーム機が値上がりすれば、世界的な価格設定を通じて日本の店頭価格にもいずれ跳ね返る可能性があります。さらに、この案が投資額に応じて関税を軽くする仕組みである点は、日本企業に米国内での工場新設という重い選択を迫る面もあります。年末商戦を控え、パソコンやゲーム機の購入を考えている読者は、価格改定の動きに早めに注意を払っておくとよいでしょう。

まとめ:関税がチップから完成品にまで広がれば、AIの土台づくりのコストと私たちの買い物の値段が同時に上がりかねません。今後の政権の判断から目が離せませんね。


出典:
CNBC – U.S. considers fresh round of tariffs on semiconductors
Yahoo Finance – Trump considering broader semiconductor tariffs on laptops, servers
Tom’s Hardware – Trump administration weighs expanding chip tariffs

タイトルとURLをコピーしました