国際指標の北海ブレント原油が1バレル=100ドルを突破し、5月以来の高値をつけました。イエメンの親イラン武装組織フーシ派が紅海でサウジアラビアの石油タンカー2隻を攻撃したことが引き金です。供給不安が一気に強まり、原油価格は7月だけで3割以上も上昇しました。
5月以来の100ドル台
7月23日の取引で、北海ブレント原油先物は約7%高の1バレル=100.65ドル前後まで急騰し、5月下旬以来となる100ドルの大台を回復しました。フーシ派がサウジの石油タンカー「エンセリア」と「レイラ」を攻撃し、エンセリアで火災が発生したと伝わったことが直接の材料です。乗組員は全員無事と報じられていますが、市場は供給網の寸断を強く警戒しています。
紅海の海上封鎖リスク
紅海は世界の海上輸送の大動脈であり、ここでの攻撃は原油の安定供給を脅かします。フーシ派はサウジの港湾や船舶を標的とする海上封鎖を宣言し、これを受けてサウジの石油タンカー5隻が紅海で航路を反転したとされます。産油国からの積み出しが滞れば、世界の需給が引き締まり、価格をさらに押し上げる圧力となります。
120ドル予想も
先行きについても強気の見方が広がっています。ブレント原油は7月に入って3割を超える上昇となり、ゴールドマン・サックスは、供給の混乱が続けば10〜12月期に1バレル=120ドルを超える可能性があると指摘しました。中東情勢の緊張が解けない限り、原油相場の高止まりは避けられないとの警戒感が市場を覆っています。
日本への影響
原油価格の急騰は、エネルギーの大半を輸入に頼る日本にとって直接的な打撃となります。原油高はガソリンや灯油、電気・ガス料金の上昇に直結し、家計の負担を一段と重くします。1バレル=100ドル超という水準が続けば、ガソリン価格が再び1リットル=180円を超える展開もあり得るため、政府による補助金政策の行方にも改めて注目が集まります。
企業活動への影響も広範囲に及びます。原油をはじめとする原材料コストの上昇は、化学、電力、運輸、航空といった業種の採算を圧迫し、ANAホールディングスやENEOSホールディングスなどの業績に影を落とす恐れがあります。加えて、円安が同時に進めば輸入コストはさらに膨らみ、日銀(日本銀行)が目指す物価の安定にとっても新たな逆風となります。日本の読者としては、中東情勢と原油相場の動きが、身近な物価や光熱費に直結する問題であることを意識し、家計の支出を早めに点検しておくことが求められます。
まとめ:原油100ドル時代の再来は、私たちの暮らしに重くのしかかります。中東情勢とエネルギー価格の動向から目を離さないようにしましょう。
出典:
The National – Oil hits $100 for the first time since May
Washington Post – Oil prices leap to $100 a barrel after attacks in Red Sea
NBC News – Oil prices surge to $100 per barrel after Red Sea attacks
Photo: Artan / Unsplash


