エチオピアで6月1日に実施された総選挙で、アビー・アハメド首相率いる与党「繁栄党」が圧勝する見通しとなった。一方、内戦からの復興途上にある北部ティグレ州では投票が見送られ、国内の政治的分断がいっそう深まる懸念が出ている。
繁栄党が決定的勝利
エチオピア国家選挙管理委員会(NEBE)は、6月1日の投票と1週間の集計・検証を経て最終結果を発表した。事前の予想通り、アビー首相の繁栄党が決定的な勝利を収め、首相は今後5年間の新たな任期を得る見通しだ。
ただし、2020〜22年の壊滅的な内戦の中心地となった北部ティグレ州では、今回も投票が行われなかった。NEBEは内戦後の「不安定な情勢」を理由に挙げた。アムハラ州の30選挙区でも投票が見送られ、多くの有権者が投票の機会を得られなかった。
深まる政治的分断
ティグレ州では、連邦政府とティグレ人民解放戦線(TPLF)との間でここ数カ月、再び緊張が高まっており、大規模な国内避難民も発生している。アフリカ第2の人口を抱える同国で、与党の勝利が政治的対立をかえって深刻化させる可能性が指摘されている。隣国エリトリアとの関係も、地域情勢の新たな火種となりつつある。
日本への影響
エチオピアは日本にとって遠い国に見えるが、アフリカの安定は日本の経済安全保障とも無縁ではない。同国は紅海に近く、政情不安が周辺地域に波及すれば、スエズ運河を経由する日本向けの海上輸送路にも影響が及びかねない。海運大手の日本郵船や商船三井が運航する航路の安全確保は、輸入物価の安定にも直結する。
日本政府は国際協力機構(JICA)を通じてエチオピアでインフラ整備や農業支援を続けており、政情の安定は支援の実効性を左右する。資源・食料の多くを輸入に頼る日本にとって、アフリカ諸国との信頼関係づくりは中長期の課題であり、現地の政治動向を冷静に見極める姿勢が求められます。
まとめ:アフリカの大国の選挙は、遠い日本の暮らしともゆるやかにつながっていることを意識しておきたいところです。
出典:
Al Jazeera – Ethiopia holds elections, Abiy’s party expected to dominate
Wikipedia – 2026 Ethiopian general election
Photo: Erik Hathaway / Unsplash


