10月5日の米国株式市場は、ハイテク株の勢いが債券市場の重さを上回り、ナスダック総合指数が最高値を更新しました。ナスダックは前日比1.05%高の2万7,477.31、S&P500種株価指数は0.66%高の7,773.95、ダウ工業株30種平均は0.18%高の5万1,267.90で取引を終えています。長期金利が上昇するなかでも、AI関連株への資金流入が相場を押し上げました。
ハイテク株がけん引
この日の主役は、人工知能(AI)の中核を担う半導体やプラットフォーム企業でした。画像処理半導体(GPU)大手のエヌビディアは2.12%高の238.90ドルと、こちらも最高値を更新しています。電気自動車のテスラが2.2%高の378.73ドル、交流サイト大手のメタが1.9%高の741.90ドル、マイクロソフトが1.5%高の525.18ドルと、主力ハイテク株がそろって上昇しました。
金利上昇という逆風
一方で、債券市場では10年物国債の利回りが5.31%まで上昇し、株式にとっては本来なら逆風となる水準です。金利が上がると、将来の利益を前提に高い株価がつくハイテク株ほど評価が下がりやすくなるためです。それでも投資家は、AI投資が生み出す成長期待を重く見て、金利上昇を「ひとまず無視」する姿勢を崩しませんでした。
個別材料も相場を刺激
個別銘柄では、ワクチン開発の臨床データを受けてバクサイトが30%超急騰し、リンパ腫治療薬の発表でジェンマブが11%近く上昇しました。産業ソフト大手PTCは、仏シュナイダーエレクトリックによる226億ドルの買収報道を受けて買われています。金(ゴールド)は0.10%高の1トロイオンス4,138.68ドルと、高値圏での推移が続きました。
日本への影響
米ハイテク株の最高値更新は、東京市場の半導体関連株に追い風となります。エヌビディアの上昇は、製造装置の東京エレクトロンや半導体材料のアドバンテスト、さらにソフトバンクグループといったAI関連の主力銘柄の株価を支える材料となり、日経平均株価を押し上げる方向に働きます。ただし、米長期金利が5%を超える水準で高止まりすれば、日米の金利差が意識されて円安・ドル高が進みやすく、輸入コストの上昇という形で日本の家計には重荷となります。日本の個人投資家にとっては、米ハイテク株を組み入れた投資信託の基準価額が為替の円安でかさ上げされる効果がある半面、株価が高値圏にあるだけに、一度調整が入れば下落も大きくなりやすい点に注意が求められます。新NISA(少額投資非課税制度)で米国株やインデックス投信を積み立てている人は、短期的な高値に一喜一憂せず、積み立ての継続と分散を基本に据えておきたいところです。
まとめ:記録更新が続く米国株ですが、金利上昇という火種も同時にくすぶっています。熱狂と警戒が同居する相場だからこそ、長期・分散の原則を忘れずにいたいですね。


