米IBMは6月22日、オープンAIと提携し、最先端のAIモデルを企業向けセキュリティ業務に組み込むと発表した。AIを悪用した「マシン速度」の高度なサイバー攻撃に、防御側もAIで対抗する動きが本格化する。新たなセキュリティサービスは即日提供を開始した。
「Daybreak」プログラムに参加
IBMはオープンAIの「Daybreak(デイブレイク)サイバー・パートナープログラム」に参加し、同社のAIモデルを使って企業の業務フロー内のソフトウェアの不具合(バグ)を検出・検証する新サービスを投入した。アプリケーションのセキュリティを高めるこのサービスは、発表と同時に顧客が利用できる。
50億ドル投資の「ライトウェル」の一環
この取り組みは「プロジェクト・ライトウェル(Project Lightwell)」の一環で、人間の専門知識とAIを組み合わせ、オープンソースソフトウェアの安全性を強化する。IBMと傘下のレッドハットによる50億ドルの投資が背景にある。
発表を受け、IBM株は時間外取引で約4.8%上昇した。生成AIが攻撃にも防御にも使われる時代に、両社の連携はAIが実際の収益を生み出す分野としてサイバーセキュリティが有望であることを示している。攻撃者がAIを使って脆弱性を高速で突く一方、防御側も同じ武器で対抗する「AI対AI」の構図が鮮明になってきた。企業にとってセキュリティ投資の優先順位は一段と高まっている。
日本への影響
AIを活用したサイバー防御の潮流は、日本企業にとっても無視できない。NTTデータや富士通、NECといった大手SIer(システム構築会社)は、生成AIを組み込んだセキュリティサービスで欧米勢との競争に直面する。IBMとオープンAIの連携が業界標準を形づくれば、日本企業も対応を迫られ、AIセキュリティ分野での投資加速が見込まれる。
サイバー攻撃の高度化は、日本の金融機関や製造業にとって経営リスクそのものだ。生成AIを悪用したフィッシングやマルウェアが増えるなか、防御にAIを取り入れる企業とそうでない企業の差が広がる恐れがある。投資家にとっては、AIとセキュリティの両分野に強みを持つ企業が中長期の成長テーマとなりうる。新NISA(少額投資非課税制度)で関連銘柄を検討する個人は、技術トレンドの持続性を見極める姿勢が求められます。
まとめ:サイバー防御の主役がAIへと移りつつあり、日本の読者も企業のセキュリティ戦略をこれからの成長テーマとして注目しておきたいところではないでしょうか。
出典:
IBM Newsroom – IBM and OpenAI Bring Frontier AI to Cyber Defense
Morningstar – IBM and OpenAI Bring Frontier AI to Cyber Defense
GuruFocus – IBM Partners with OpenAI
Photo: Amal S / Unsplash


