中国の電気自動車(EV)最大手BYD(比亜迪)が、ヒト型ロボット事業への本格参入を表明した。EVで培った電池・センサー・AI(人工知能)技術を転用し、新エネルギー車に並ぶ「中核事業」に育てる方針だ。世界一の販売台数を誇るEV大手の参入で、ヒト型ロボット開発競争は一段と激しさを増している。
EV技術を丸ごと転用
BYDの李柯(リー・カー)執行副社長は、社内コードネーム「堯舜禹(ヤオ・シュンユー)」のもとでヒト型ロボットの自社開発を全力で進めていると明らかにした。ロボット事業を新エネルギー車事業と並ぶ中核の柱に位置づけるという。EV向けに蓄積した高密度電池、近接センサー、AIシステムといった基盤技術を、そのままロボットに応用する戦略だ。
まずは販売店での接客から
初期の展開先として想定するのが、世界に広がる自社の「4S」販売店網だ。店頭での販売案内や来客対応といった業務にロボットを投入し、将来的には家庭に入り、掃除・調理・話し相手といった日常のタスクを担わせる構想を描く。
BYDはまだ製品の発売時期や技術仕様、価格を公表していない。それでも、EVで世界販売首位に立つ企業の参入は、テスラやヒョンデ(現代自動車)傘下のボストン・ダイナミクスが先行するヒト型ロボット市場の競争を加速させるとみられる。発表を受けて中国最大のロボット関連上場投資信託(ETF)は一時4%近く上昇し、活発な物色が広がった。
日本への影響
BYDのロボット参入は、ヒト型ロボットや産業用ロボットで強みを持つ日本企業にとって、競争と協業の両面で大きな意味を持つ。ファナックや安川電機、不二越といった産業用ロボット大手、さらに減速機で世界シェアの高いハーモニック・ドライブ・システムズやナブテスコは、ロボット需要そのものの拡大という追い風を受ける一方、中国勢の急速な台頭という新たな競争にも直面する。
部品・素材の面でも波及がある。ロボットの関節を動かすモーターや精密減速機、各種センサーには日本企業の技術が数多く使われており、BYDのような新規参入者が増えれば、日本の部品メーカーにとって新たな供給先が広がる展開も見込まれる。新NISAでロボット関連やテーマ型の投資信託を持つ個人にとっては、中国勢の参入が業界地図をどう塗り替えるかを注視する姿勢が求められます。
まとめ:EV覇者BYDのヒト型ロボット参入は、産業構造を揺るがしかねない動きであり、日本の強い分野だけに、その行方をしっかり見守りたいところではないでしょうか。
出典:
CnEVPost – BYD enters humanoid robot market
News.az – BYD confirms plans to build and sell humanoid robots
Photo: Steve A Johnson / Unsplash


