AIスタートアップのアンソロピックが、米証券取引委員会(SEC)に新規株式公開(IPO)の機密申請を行った。直近の資金調達では時価総額9,650億ドルとライバルのオープンAIを初めて上回り、秋にもナスダック上場を目指す。
機密扱いでS-1を提出
チャットボット「Claude(クロード)」を開発するアンソロピックは2026年6月1日、SECに上場目論見書(S-1)の草案を機密扱いで提出した。機密申請は、株価や上場日を確定する前に審査を進められる手続きで、本格的な上場準備に入ったことを示す。
オープンAIを上回る評価額
同社は直近の資金調達ラウンドで650億ドルを集め、企業価値は9,650億ドルに達した。これは3月時点で8,520億ドルと評価されたオープンAIを初めて上回る水準だ。IPOはゴールドマン・サックス、JPモルガン、モルガン・スタンレーが主幹事を務め、600億ドル超の調達を見込む10月のナスダック上場を視野に入れているとされる。
業績の伸びも急だ。アンソロピックは5月時点で年間収益のランレート(年換算ペース)が470億ドルに達したと発表しており、前年の年間収益100億ドルから急拡大している。ただし、株価や株式数、上場日はまだ確定しておらず、市場環境次第で時期がずれ込む可能性もある。
日本への影響
アンソロピックの大型IPOは、日本の投資家やテック業界にとっても無視できない。同社にはアマゾンやグーグルが出資しているほか、日本でもAIの業務活用が急速に広がっており、上場が実現すれば日本の機関投資家や個人がAIの中核企業に直接投資できる機会が生まれる。一方、現時点では未上場であり、上場前の株式に投資する手段は限られるため、過熱した評価額をうのみにせず冷静に距離を測る姿勢が欠かせない。
産業面では、生成AIの覇権争いがアンソロピックとオープンAIの二強構図に向かうことで、両社にデータセンターや半導体を供給する日本企業への波及も見込まれる。アドバンテストや東京エレクトロンといった半導体関連株は、AI需要の拡大期待で値動きが大きくなりやすい。新NISA(少額投資非課税制度)でこうした銘柄を含むファンドを保有する個人にとっては、AI相場の上昇局面と調整局面の振れ幅の大きさを念頭に置いた分散投資が求められます。
まとめ:アンソロピックの上場準備はAIブームが資本市場の本丸に到達したことを示しており、日本の読者もAI企業の実力と過熱の見極めが大切ではないでしょうか。
出典:
CNBC – Anthropic IPO S-1 prospectus
Fortune – Anthropic confidentially files IPO
Photo: David Vives / Unsplash


