中国の金購入が過去最高に──金価格はドル高で軟調に推移

市場

安全資産の代表格である金(ゴールド)の需給に、大きな変化が起きています。中国の金購入が今年に入って過去最高のペースに達し、8月までの買い付け量が2025年の年間実績を上回りました。一方で足元の金相場は、米ドル高と追加利上げ観測を受けて軟調に推移しています。

金価格は2営業日続落

9月22日の金市場では、金スポット価格が1オンス4,300ドル台前半で取引され、前日比で約0.8%下落しました。これで金は2営業日続けての下落となりました。金利を生まない金は、金利上昇局面で相対的な魅力が薄れやすい資産です。

下落の主因はドル高

下落の主因は、米ドルの強さです。主要通貨に対するドルの実力を示すドル指数が心理的節目の100を上回る水準を維持し、金などの貴金属から資金が流出しました。セントルイス連銀のムサレム総裁が追加利上げの必要性に言及するなど、FRB(米連邦準備制度理事会)高官のタカ派的な発言が相次いだことも、ドル高と金安を後押ししました。

もっとも、金の底値を支える力も働いています。世界的な実需、とりわけ中国の買いが旺盛です。中国の8月までの金購入量は1,000トンを超え、2025年の年間実績をすでに上回りました。金は今年初めに一時1オンス5,000ドルを超える史上最高値を付けた後、大きな値動きを続けています。

日本への影響

金価格の動向は、日本の投資家や家計にとっても身近なテーマです。国内の金価格は「円建て」で決まるため、たとえドル建ての金相場が下落しても、円安が同時に進めば円建て価格はさほど下がらない、あるいは上昇することもあります。金の現物や純金積立、金ETF(上場投資信託)を保有する日本の個人投資家は、ドル建て価格だけでなく円相場もあわせて見ておく必要があります。田中貴金属工業や三菱マテリアルが公表する店頭小売価格は、こうした二つの要因を映して動きます。また、中国の記録的な金買いは、世界的なインフレへの警戒や基軸通貨ドルへの依存を減らそうとする動きの表れとも読めます。金は株式や債券と値動きが異なりやすいため、資産の一部として少額を持つことで分散効果が期待できますが、値動きの荒さには注意が求められます。

まとめ:金は「有事の資産」であると同時に、為替や金利に揺さぶられる商品でもあります。ドルと円の両にらみで、冷静に価値を見極めていきたいですね。


出典:
Yahoo Finance – Gold price today, September 22, 2026: Chinese gold imports set record
Kitco News – Silver leads metals higher as dollar strength caps gold
USAGOLD – Daily Precious Metals Market Report, September 22, 2026

Photo: Scottsdale Mint / Unsplash

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