金価格が2週間ぶり安値──米利上げ観測が「安全資産」に逆風

国際的な金相場が下落し、約2週間ぶりの安値となる1オンス4,440ドル近辺で推移しています。米連邦準備制度理事会(FRB)による9月の利上げ観測が急速に強まり、利息を生まない金にとって逆風が吹いています。

金利上昇が金の重荷に

金は伝統的に、インフレや地政学リスクへの備えとなる「安全資産」とされてきました。しかし金利が上昇する局面では、利息のつく債券や預金の魅力が相対的に高まるため、金は売られやすくなります。今回の下落も、まさにこの構図によるものです。

きっかけは、FRBのウォーシュ議長の発言でした。議長がインフレを2%目標に戻すには「まだやるべきことがある」と述べ、利上げの可能性を示唆したことで、市場の見方は一変しました。金価格は前週金曜に3%超下落し、9月の利上げ確率は発言前の約36%から60%超へと跳ね上がりました。

2026年は乱高下が続く

もっとも、金相場は2026年に入って乱高下を続けています。年初には史上最高値となる1オンス5,000ドル超をつけた後、地政学リスクやインフレ指標、金融政策の観測に振り回される展開が続いてきました。中東情勢をめぐる緊張がくすぶるなか、金が再び買われる局面も否定できず、方向感を欠く相場が当面続きそうです。

日本への影響

金価格の動きは、日本の個人投資家にも身近な問題です。近年は円安の進行もあって、円建ての金価格が国内で高値圏にあり、純金積立や金ETF(上場投資信託)を通じて資産の一部を金で持つ人が増えてきました。ドル建ての金が下落しても、円安が同時に進めば円建て価格は下がりにくく、為替と金相場の両方を見る必要があります。

また、米国の利上げ観測は日米金利差の拡大を通じて円安ドル高を促し、日経平均株価を押し上げる一方で、輸入物価の上昇を通じて家計を圧迫します。田中貴金属工業などの店頭小売価格も為替と国際相場の合わせ技で決まるため、金の購入を検討する読者は、ドル建て相場だけでなく円相場の水準もあわせて確認することが求められます。値動きの荒い局面では、一度にまとめて買うのではなく、時間を分散して積み立てる手法がリスクを抑えるうえで有効です。

まとめ:「有事の金」も、金利には勝てない局面があります。相場が荒れるいまだからこそ、為替もあわせて冷静に見極めたいですね。


出典:
Yahoo Finance – Gold hits record then retreats on rate expectations
Trading Economics – Gold price

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