中国のヒト型(ヒューマノイド)ロボット大手ユニツリー・ロボティクスが19日、上海証券取引所の新興企業向け市場「科創板(スターマーケット)」に上場し、初値から株価が一時6倍超に急騰しました。中国本土で初となる汎用ヒト型ロボット企業の上場に、投資家の熱狂が集まりました。
公開価格で約9億ドルを調達
ユニツリー・ロボティクスは杭州に本社を置く新興企業で、宙返りや踊りをこなす二足歩行ロボットで知られています。上場に先立ち、公開価格を1株150.80元(約21ドル)に設定し、約61億元(約9億500万ドル)を調達しました。これにより企業価値は約610億元(約90億ドル)と評価されました。
初日に一時629%高
19日の取引初日、株価は公開価格の150.80元から一時1,100元まで、率にして最大629%も跳ね上がりました。その後やや上げ幅を縮め、終値は845元(約125.40ドル)となり、初日で542%高という驚異的な上昇率を記録しました。個人投資家からの申し込みは、割り当て株数の8,000倍を超えるという異例の人気ぶりでした。
今回の上場が注目されるのは、ユニツリーが中国本土の株式市場に上場する初めての汎用ヒト型ロボット企業だからです。AI(人工知能)ブームがソフトウエアから、ロボットという「体を持つAI」へと広がりつつあることを象徴する出来事といえます。もっとも、初日から株価が数倍に跳ね上がる値動きは過熱の裏返しでもあり、収益がまだ小さい新興企業への期待が先走っているとの警戒感もくすぶっています。
日本への影響
ヒト型ロボットは、少子高齢化で労働力不足に直面する日本にとって他人事ではありません。介護や物流、工場の現場で人手を補う切り札として期待され、日本でもファナックや安川電機、川崎重工業といった産業用ロボットの有力企業が技術を蓄えてきました。中国勢が資金力と量産で先行すれば、こうした日本メーカーは価格競争にさらされる恐れがある一方、精密減速機で世界シェアを握るハーモニック・ドライブ・システムズや、センサー・モーター部品を手がける日本電産(ニデック)などには、ロボット市場の拡大が部品需要という形で追い風になる可能性もあります。
投資家にとっては、ユニツリーの熱狂が「ロボット関連銘柄」への資金流入を促す呼び水となるかどうかが焦点です。ただし、上場初日に株価が数倍化する値動きは投機的な側面が強く、日本の読者には、話題性だけで飛びつくのではなく、企業の実際の稼ぐ力を見極める冷静さが求められます。
まとめ:ロボットが街を歩く未来は、もうすぐそこまで来ているのかもしれません。熱狂の裏にある実力を見極めながら、この大きな変化を追いかけていきたいですね。
出典:
CNBC – Unitree jumps in Shanghai IPO
CNBC – Unitree prices IPO at $9 billion valuation
Quartz – Unitree IPO oversubscribed 8,000 times
Photo: Enchanted Tools / Unsplash


