米国の経営トップの景況感が急速に冷え込んでいる。コンファレンス・ボード(全米産業審議会)がまとめた第2四半期のCEO景況感指数は47となり、前期の59から大きく低下した。50を下回ると悲観派が楽観派を上回ることを意味し、企業経営者の警戒感がにわかに強まっている。
「悪化」見通しが急増
調査は141人のCEOを対象に実施された。「半年前より経済が良い」と答えたCEOはわずか15%にとどまり、前期の39%から急減した。逆に「悪い」とする回答は8%から47%へと跳ね上がっている。今後半年で景気がさらに悪化すると見るCEOも40%に達し、前期の13%から3倍に膨らんだ。
雇用への影響も無視できない。今後半年で人員を削減する意向を示したCEOは31%と、前期の27%から上昇した。一方で人員を増やすとの回答は28%に低下しており、米雇用市場が「採用も解雇も少ない(low-hire, low-fire)」膠着状態にあることが改めて浮き彫りになった。
サイバーリスクが最大の懸念に
経営者が挙げるリスクも変化している。サイバー攻撃を最大級のリスクと位置づけるCEOは約3分の2に上り、地政学リスクやAI・新技術をめぐる不確実性とともに上位を占めた。エネルギー価格の高止まりや関税政策の不透明感が、企業マインドを一段と圧迫している。
日本への影響
米国の経営者心理の悪化は、対岸の火事では済まされません。米景気が減速すれば、米国市場への依存度が高い日本の自動車・機械・電子部品メーカーの輸出に逆風となり、トヨタ自動車やコマツ、村田製作所といった企業の業績見通しにも影を落とすおそれがあります。米企業が設備投資や採用を絞れば、日本からの中間財需要も細りかねません。
為替面では、米景気の先行き不安が広がると「リスク回避の円買い」が起きやすく、円高方向に振れる場面が増える可能性があります。輸出企業にとっては円高が収益を押し下げる要因となり、日経平均株価の重荷にもなり得ます。日本の家計や個人投資家としては、米国株比率の高い投資信託やNISA口座の値動きが荒くなる展開も想定し、過度な一喜一憂を避けて分散投資を心がける姿勢が求められます。日本銀行の追加利上げ判断にも、米景気の動向が間接的に影響してくると見られます。
まとめ:経営者の弱気は景気の先行きを映す鏡でもあり、日本の私たちも米国発の変調を冷静に見極めながら備えを固めておきたいところではないでしょうか。
出典:
Fox Business – CEOs signal layoffs as outlook darkens
PR Newswire – CEO Confidence Tumbled in Q2 2026
Fortune – CEOs losing confidence in the economy


